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『知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!』
発売記念セッションが開催

 
文・写真=孫雅甜
 
 

 

中国の人気雑誌『知日』の日本語ダイジェスト版『知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!』(潮出版社)が日本で出版されたことを受け、中日両国の編集スタッフによる発売記念セッション(北京日本人会文化委員会主催)が2015年2月14日、北京で開催された。

『知日』は2011年1月、中国人が中国人読者向けに日本文化などを紹介する雑誌として創刊された。これまでに「猫」「妖怪」「鉄道」「明治維新」などの特集を組み、10万部以上を売り上げた号もある。『知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!』は昨年末までの『知日』24号分の内容に加え、ノーベル文学賞作家・莫言氏の日本紀行エッセーや『知日』の蘇静編集長インタビューなど、日本語版オリジナルの記事も収録。今年1月5日に発売されて1週間で重版が決まるなど、日本で注目の書籍となっている。

発売記念セッションでは、『知日』の毛丹青主筆、蘇編集長、アートディレクターの馬仕睿氏、潮出版社出版部の西田信男部長が雑誌『知日』の創刊・編集や『知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!』の出版について語った。

 

『知日』雑誌編集長蘇静さん(左)とアートディレクター馬仕さん(右)

 

西田部長:反中嫌韓が「知の格差」もたらす可能性も

西田部長は「私は編集者になってちょうど20年たったが、昨今の反中嫌韓ブームが非常に危険だと感じていた」と日本語版の出版のいきさつを紹介した。過去20年の間、反中嫌韓本は何回もブームになったが、それほど長くは続かなかった。しかし、2010年に海上保安庁の巡視船と中国漁船の衝突事件が起き、また中国の国内総生産(GDP)が日本を超えて世界第2位になったころから、日本の書店では反中嫌韓本しか売れないような状況が出てきた。

これまでのブームと違って非常に危険ではないか、どうすればそれを乗り越えられるか、出版人としてどんな本を出せるか。そう考えていた西田部長は2013年8月、『知日』を紹介したテレビのニュースを見た。「日本のメディアでは中国国内の反日デモ、愛国教育がクローズアップされていた中で、中国で日本を紹介する雑誌が売れているとの報道を見て、大きな衝撃を受けるとともに、これだと膝をたたいた」

日本語版の出版を促したもう一つの重要な要素は、毛主筆との共通の憂いだ。『知日』の10万人の読者に代表されるように、中国人はこれほど日本のことを見ているのに、逆に日本人は中国を見ていない。この違いは5年後、10年後、大きな「知の格差」「情報の格差」になるのではないか? 「今回本を出すことによって、『知日』という雑誌の存在をまず日本の人に知ってもらい、それから日本人ももっともっと中国を知らなければならないと考えてもらえるとありがたい」と西田部長は語った。

 

人民中国インターネット版 2015年2月27日

 

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