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「女形は日本人の美意識のかたまり」
――歌舞伎俳優五代目尾上菊之助さんに聞く

 

 

孫雅甜=聞き手 楊振生=写真

 

 

歌舞伎俳優五代目尾上菊之助さん

 

 

五代目尾上菊之助プロフィール  1977年、歌舞伎役者七代目尾上菊五郎の長男として東京で生まれる。6歳にして東京・歌舞伎座『絵本牛若丸』の牛若丸で六代目尾上丑之助を襲名し初舞台。1996年、『弁天娘女男白浪』の弁天小僧ほかで五代目尾上菊之助を襲名。2000年、『源氏物語』で紫の上をつとめ大人気となる。05年、シェークスピアの戯曲『十二夜』の歌舞伎版を企画、演出には蜷川幸雄を迎え、『NINAGAWA十二夜』として公演、主役の琵琶姫(ヴァイオラ)、獅子丸(シザーリオ)を努める。当たり役は『白浪五人男』の弁天小僧菊之助、『鏡獅子』の小姓弥生、『京鹿子娘二人道成寺』の白拍子花子など。

 

五代目尾上菊之助さんは、かれんな美貌と清潔な色気で女形も二枚目も魅力的に演じる現代歌舞伎を担う若手スターであり、舞台や映画、テレビドラマにも積極的に出演するなど幅広い分野で活躍する人物でもある。4月2、3日、菊之助さんは歌舞伎の北京公演を実現させ、しかも中国の京劇と同じ舞台でそれぞれの演目を演じたが、その際に北京公演への思いや演目『春興鏡獅子』の魅力、女形についての理解、伝統芸能の現代での生き方について語っていただいた。

 

――おじいさまの七代目尾上梅幸さんは1979年に中国を訪問し歌舞伎を披露しました。それは中日国交正常化後中国で行われた初の歌舞伎公演でもありました。36年経って今回の「京劇・歌舞伎」公演が行われたわけですが、どうお感じになりますか?

 

尾上菊之助(以下「菊之助」) まず今回の公演を促して成就させてくださった両国の関係者の皆さまに感謝申し上げたいと思います。私は北京に来させていただいく機会はなかなかありませんでしたが、京劇は小さい頃から好きでした。今回中国の京劇の俳優さんたちと交流ができて、また京劇と歌舞伎が同じ舞台で花を咲かせられたことに対し非常にうれしく思います。祖父が36年前に中国を訪問したときに、北京、上海、杭州で歌舞伎を踊りました。当時の演目は今回私が演じる『春興鏡獅子』だったんです。歌舞伎の公演で祖父が36年前に演じた演目と同じ演目をこうして北京で演じさせていただいているのはほんとうにありがたいことで、中国の関係者の皆さまに本当にお礼を申し上げたいと思っております。芸術を通じて日中友好に全力を尽くしたいと思っております。

 

 

 人民中国インターネット版 2015年4月8日 

 

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