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「言葉」で深める中国理解
九州で「五星奨」コンテスト

于文=文・写真

 コンクール会場の模様

日本「五星奨―中国語コンテスト」兼「漢語橋―世界大学生中国語コンテスト」日本(九州)代表予選が5月21日、北九州市立大学で行われた。福岡や長崎、山口などの各地から50人余りの大学生や高校生が参加し、暗唱とスピーチの2部門で中国語の表現力などを競い合った。

 採点を行う審査員

五星奨コンテストは2000年、日本「五星奨」中国語教育推進会の主催、北九州市立大学「中国言語文化研究会」の運営で始まり、今年で17回目。大学、高校などの所属や中国語習熟レベルごとに受賞者が決定される。スピーチの部の大学、短大、専門生の最優秀賞は中国で開かれる漢語橋コンテストの出場権を獲得する。

スピーチ部門最優秀賞の長崎県立大学・山城悠河さん

スピーチ部門第2位の北九州市立大学・長久佑理映さん

スピーチ部門第3位の長崎県立大学・角川暁希奈さん

暗唱の部では現代中国を反映する「一带一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」「ネットショッピングと衣食住交通」の2テーマと、伝統に関連した「端午の節句の文化 屈原の物語」「鑿壁借光(苦学する)」「二宮金次郎」の3テーマから選んだ課題文を暗唱した。最優秀賞に輝いたのは、発音と豊かな表現力で評価を得た北九州大学の羽田野ケニー純喜さんだった。

 

スピーチの部では、武漢への留学経験がある長崎県立大学の山城悠河さんが情感あふれる語り口で最優秀賞を受賞した。山城さんは中国で大人気のお見合いバラエティー番組「非誠勿擾(冷やかしお断り)」が語学力アップと中国文化理解のきっかけだったと語り、目下の夢は「非誠勿擾」に出演し「日本人にもこんなに中国を愛する若者がいる」とアピールすることだと締めくくった。

スピーチ部門参加の長崎県立壱岐高等学校・佐藤悠喜さん

スピーチ部門参加の長崎県立壱岐高等学校・鈴木岳斗さん

暗唱部門最優秀賞の北九州大学・羽田野ケニー純喜さん

2位は北九州市立大学の長久祐理映さん。中日両国の平和を大きな火にするため、自分は小さな火花として役立ちたいと語った。3位に輝いた長崎県立大学の角川暁希奈さんは華人の母を持ち、北京留学の経験もあるため、中国の東北なまりを時折感じさせるほどだった。スピーチは「私には中国は愛にあふれた国に見えます」という言葉で始まり、「中国語は口調がきついけれども、よく聞くと他人を気にかけています。中国人はお金とメンツを大事にするからこそ一生懸命働き、親戚や友人、見知らぬ人をも愛します」と語った。

 

高校生も大学生に負けていない。長崎県立壱岐高校の佐藤悠喜さんは「言語を通して、文化を理解する」というテーマでスピーチした。レストランで残った料理を「{ダーバオ}打包(パックに詰めて持ち帰る)」する行動からは、人をもてなす時には食べ残すほど注文するのをよしとする習慣と、持ち帰りで無駄をなくそうとする合理性に文化の違いを感じたという。同校の鈴木岳斗さんは上海での短期語学研修中に上海でラーメン店を営む日本人から「正直に人と接し、心の扉を開いて商売をする」という言葉を聞き、中国語学習や中国人との交流にも「笑顔で心を開くこと」が必要だと悟ったと述べた。

 参加者は楽器演奏やダンスなども披露

丁剣・中国駐福岡総領事館領事によるあいさつ

参加者はいずれも、コンテストをきっかけに中国への理解がより深まり、愛着が湧いたと語っている。入賞者の一部は中国留学のチャンスを与えられ、中国に対する理解をより深め、友好を伝える使者ともなる。語学を学ぶということは、相手の国へ通じる門を開き、相互理解を進める格好の機会といえるだろう。

 

 

人民中国インターネット版 2016年6月2日

 

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