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中国チベット文化交流団が訪日

写真・文=于文

 

  8月20日から23日にかけ、中国国務院新聞弁公室の派遣による中国チベット文化交流団が日本を訪れた。周煒・中国チベット学研究センター宗教研究所所長を団長に、北京とチベットのチベット学及びチベット医学の専門家、チベット族幹部、活仏などのメンバーが参加した。

 

 中国駐日本大使館を訪れ、日本の記者たちと交流を行う中国チベット文化交流団

 

 21日に交流団は国会議員、10の主なメディア記者との交流座談会をそれぞれ行い、近年におけるチベットの経済社会発展、農牧民の生活レベル、生態系保護、伝統文化の継承保護などが大きな成果を挙げていることを紹介した。

 

 あいさつに立った駐日中国大使館薛剣公使級参事官は、「日本ではチベット自治区への関心が高いが、事実、チベットでは多くの面で大きな変化が起きている。特にここ数年は中国政府の強力なサポートによって、経済、社会、文化などの各方面において大きな発展を遂げた。今回の訪日の主な目的は、交流を通じてチベットの現状をあまねく伝え、日本におけるチベットへの理解を深めることにある」と交流の狙いを語った。

 

 駐日中国大使館の薛剣公使級参事官によるあいさつの後、周煒団長がチベット状況の説明を行った

 

 周団長はチベットの発展について、「ここ数年で、チベットの社会経済の発展はピークを迎えた。GDPは10年連続で13%~15%前後の成長を続け、2007年には3000元に満たなかった農民の収入も年々増加し、今では1万元以上に達している」と述べ、環境保護問題については、「青い空と透き通った水が自慢のチベットは多くの保護区を擁し、特にラサとその周辺地区が行う湿地の環境保護は非常に良好だ」と、自然との共生を強調した。

 

チベット牧民の新居 

 

 また、周団長はチベットにおける宗教の実態についても報告を行った。現在、チベットには1700あまりのチベット仏教の寺院と4万6千人の僧と尼僧、400名近い活仏がおり、チベット族の信徒にとって最も満足度が高い時期であり、国家は毎年多額の資金を投じて、寺院や文化財の保護、仏教文化関連の出版事業を行っているという。チベット語の保護についての質問には、「チベットは1987年と1988年に『チベット自治区におけるチベット語学習と使用、その発展に関する若干の規定』を公布したことで、漢語(普通語)とチベット語は共に法的に認められた言語となり、小学校から大学まで、漢語とチベット語による教育システムが確立されている」と現況を述べた。チベット医学について周団長は「チベット文化のもうひとつの重要な要素である」と述べ、西蔵蔵医学院をチベットに設立することで、チベット伝統医学の継承と発展につとめ、さらに北京の有名大学にも専門課程を設けることで、チベット族と漢族によるチベット医学の博士を育成していると説明。「社会経済の発展と文化の保護の両面において、チベットの現況はいずれも最良の時期を迎えており、大きな成果を挙げている」と締めくくった。

 

 チベットにおける宗教の様子について語る活仏

 

 交流座談会では、チベット文化交流団のメンバーが経済、文化、宗教などに関する中日記者からの質問に答えた。日本の記者からの「一帯一路」に関する質問に対し、「インド、ネパール、バングラデシュ、スリランカなどの国々と地理的にも歴史的にも密接な関係があるチベット自治区は、『一帯一路』とも非常に密接な関係にある」と指摘するとともに、2015年に開催された中央第6回チベット工作座談会では、チベットを南アジアと中国本土をつなぐ『橋』とすることが、非常に戦略的な意義を持つと指摘されたと語った。交流団からの紹介を聞いた日本側参加者からは、「チベットに対する親近感や知識が深まった。機会があればチベットを訪問してみたい」との声が聞かれた。

 

 訪日期間中、交流団は愛知県名古屋市にある日本で唯一のチベット仏教寺院である強巴林寺を訪ね、当院住職と信徒からの熱いもてなしを受けた。

 

 チベット仏教は十分な保護、伝承、発展を遂げている

 

 

 

 

 

人民中国インターネット版  2017年9月28日

 

 

 

 

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