原体験としての日本語

 

AM774「東京音楽広場」

 

北京での番組はまず、かつてのリスナーたちが反応した。私が驚くくらい、多くの声が寄せられてくる。みんな再開を祝ってくれていた。

 

「とうとう日本音楽の番組を聴くことができるんだね。ずいぶん長い間、聴けなかったよね。なつかしいな~」

 

北京での番組は、毎週日曜日午前10時と午後4時からの一時間。十曲ほどのJポップと、街角トレンド情報、若者文化、アニメ・漫画・映画・テレビなどの文化芸能情報、そして日本語を楽しむコーナーもある。目指すのは、総合雑誌のような番組である。一時間聴くと、日本が等身大でわかるような番組を作りたい。

 

そして番組の最後は「交流の広場」。ラジオならではの、双方向のコミュニケーションを成立させたいと考えている。

 

3月28日放送で、ようやく理想のパターンにめぐりあった。日中を結ぶ、声のキャッチボールである。

 

まずはリスナーから、こんなメッセージが寄せられた。

 

「このところ、大切な試験の準備をしているんだ。番組も勉強しながら聴いているんだよ。明子姐姐、日本の学生って、いったいどんなふうに試験勉強しているの? 僕たちみたいにやっぱり苦しいものなんだろうか。今、もう夜中の12時を回ったのに、僕はまだ奮戦中なんだよ」

 

このメッセージを、私は日本の女子高生に見せた。彼女は「中国の高校生って、私たちと同じなんだ」と感動し、自分の試験勉強のスケジュールを書きとめた。

 

「その中国の学生に伝えて。お互い頑張りましょうって」

 

彼女はその中国人リスナーに、コブクロの『ここにしか咲かない花』を送ってほしいと私に託した。これ以降、彼女はネットで番組を聴いているという。

 

日本と中国は、距離的にとても近い。しかし、相互理解の点からいえば、地球半周分の隔たりもある。中国の若者に、普通の日本人を知ってほしい。日本人も等身大の中国を知るべきである。政治も大事、経済も重要、しかし、近くて遠い距離を埋めるのは、心のどこかにちょっと触れる小さな「何か」なのではないだろうか。

 

人民中国インタ-ネット版

 

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