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年越しの爆竹 禁止から制限へ

 

薄れた伝統的習慣

 

花火を上げ爆竹を鳴らすのは年越しの中でもっとも喜ばしい行事の一つだ。特に子供にとっては一番楽しい時間
 まもなく年末。新しい年がまたやって来る。

 

しかし中国人にとっては、旧暦の新年である春節こそが盛大に祝うべき祝日。普通の社会生活では新暦を使って生活しているが、この時期になると、知らず知らずのうちに旧暦で日付を数えている。

 

伝統的な習慣によれば、「セキ月」(旧暦の12月)に入ったら年越しの準備をする。北方の民謡に年越しの準備を歌ったものがある。「(旧暦)23日は『糖瓜』(かまどの神に供える麦芽糖で作ったウリ型のあめ)を供える、34日は部屋掃除、25日は凍り豆腐づくり、26日は豚肉を煮込む、27日は肥えた鶏を絞める、28日は小麦粉を発酵させる、29日は饅頭を蒸す、30日はオンドルの上でギョーザを包む」。このような慌しくも楽しい序曲が終わると、年越しのクライマックスである除夜のご馳走と花火・爆竹の登場だ。

 

除夜に爆竹を鳴らす習慣は、ある古い伝説に基づく。それによると、昔、「年」という鬼がいて、毎年旧暦の大晦日になると村へやって来て人を食った。人々はこれを非常に恐れていたが、「年」は赤色と爆発音を怖がったため、門に赤紙の「春聯」(めでたい文句を書いた対聯)を貼り、爆竹を鳴らして鬼を追い払った。ここから、「春聯」と爆竹は迎春を祝う大切な伝統的習慣になったと伝えられている。

 

しかし近年、中国人の年越しの伝統的習慣は大きく変わった。今でも、赤い装飾品で部屋や周囲を飾ることは好むが、自分で「春聯」や「窓花」(窓飾りに用いる切り紙細工)を作る人はあまりいない。既製の年越しの飾りは、種類は多いが個性や親しみやすさに欠ける。若者の中には「糖瓜」を見たことがない人もいる。また、かつては年越しの食べ物を自宅で作っていたが、最近はスーパーで売っているできあいのものを買う人も多い。

 

毎年春節の前になると、商店には各種各様の花火や爆竹が並ぶ
 一方、花火や爆竹の種類は豊富になった。打ち上げ花火の質もかつてとは比べものにならないほどよくなった。

 

1980年代以降、生活レベルが向上し社会が開放されるのにともない、中国人は除夜に爆竹を鳴らすことに情熱を傾けるようになった。毎年大晦日の夜になると、都市も農村も爆竹の音の中に埋もれる。煙がもうもうと立ち上り、ほんのりと明るい火の光の中に人々の笑顔が映し出される。みんなが、喜びのムードに感化された。

 

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