陳飛代表、環境保護用のかごをさげて全人代に

北京に着いたばかりの浙江省代表団の陳飛代表に会った時、慌しそうに特別な荷物、56個の買い物かごと3000枚のハンカチを部屋に運び入れた。

「かごは56の民族の代表に送るつもりだ。かごをもっと多く、ビニール袋をもっと少なくして、ビニール汚染を減らす、代表たちには模範的な効果があるはずだ！　ハンカチは2987人の代表に送るつもりだ。紙をあまり使わずに、資源を節約しようじゃないか」。目の前にいるやや黒ずんだ皮膚、大きくて通る声の農民の代表が、なんと環境保護をこれほど強く意識しているとは、思いもかけないことだった。

陳さんは今年53歳。浙江省永嘉県渠口郷珠岸村の村民。６年前の春、自らお金を出して全国19の省・自治区・直轄市を走り回り、１万個以上の買い物かごを寄贈した。３年前の初夏には、地元政府の支援を受けて、古里を中国で初めてビニール袋のない村にした。

「地元の村からよその村へ、農村が都市を囲む」というのが陳さんの目標だ。「上海じゃ、あるおばあさんが野菜売り場でずっとわしについてきた。背負っている買い物かごが欲しかったんだよ。北京じゃ、自由市場に持っていったかごは人に贈ってすぐなくなったよ……。環境保護という理念が心に沁みこんでいるんだね」と陳さん。

「環境保護の陳さん」は第11期全国人民代表大会（全人代）の代表に選ばれて以来、使命感がより強まった。息子さんに教えてもらってブログを立ち上げ、ネット仲間と環境保護の経験を共有。しばらく前、環境保護について提言を募ったところ、８日間で全国から300以上の提案があり、そのうち優れた提案を今回、全人代に持ってきたという。「環境保護のためにもっと多く提言するつもりだよ」。陳さんの話しぶりは実に賑やかだった。

「チャイナネット」2008年3月5日