仏アコーホテルズ会長「私は全く違う西蔵を見た」

 

ポール・デュブリュール会長

1934年7月、北フランス出身。アコーホテルズの創設者で共同会長。ホテル・チェーン「ノボテル」の創設者・共同会長、ノボテルS.I.E.H社の共同会長・CEO、アコーホテルズの共同会長・CEO、フランス元老員議員、企業と進歩協会会長を歴任。世界旅行産業会議(WTTC)の共同創設者。2005年3月からはフランス国家観光局の理事長に就任。

世界4大ホテルチェーンの1つである仏アコーホテルズの創設者、ポール・デュブリュール会長が18日午後に上海入りし、エコノミーホテル「宜必思酒店」(イビスホテル)の建設現場を視察した。熱心な視察を終えたデュブリュール会長は、記者に中国の印象を語り始めた。また、新著「参議員単騎跨欧亜」を中国の友人たちに贈呈し、同書を通じてフランス人の目に映った西蔵(チベット)を語った。「東方網」が伝えた。

 

同書は、西蔵の変化を目の当たりにした時の会長の感銘に多くのページを割いている。「3カ月の経験で、西蔵に対する私の理解はあなたたちのフランスの同業者よりもずっと深まった」と会長は感慨深げに言う。

 

かつての会長は、中国を訪れたことのない西側の人たちと同様に、貧しく立ち後れた地方として西蔵を捉えていた。「私がメディアから得る情報は、可哀想なチベット人が中央政府にいじめられているというものだった」。

 

会長の考え方を決定的に変えたのは、2002年の西蔵旅行だった。当時68歳だった会長は、自身が寄付するホテル学校の開校式のため、フォンテーヌブローの自宅から、カンボジアのシェリアップ市を目指して自転車を漕ぎ出した。8カ月かけて1万5272キロを走破するこの長旅で、会長は3カ月を費やして西蔵を横断、西蔵の風光明媚な姿を目の当たりにし、その経済と社会の発展を身をもって感じた。

 

この初めての西蔵訪問について会長は「貧しい生活や病気の牧畜民はまだ目についたが、感動的だったのは、中央政府が積極的に西蔵経済の発展に取り組み、チベット人の生活改善に努力していたことだ」と語る。会長の目に映る西蔵では現代的な病院・空港・ダムが建設されていた。「西蔵の経済発展は確かなもので、私はこれが、以前想像していた西蔵とは全く違うことに突如気づいたのです!」――。

 

青蔵鉄道は西蔵の人々の対外交通を改善した

 

デュブリュール会長は、西蔵文化の保護は当然正しいが、「西蔵経済が発展すれば、西蔵文化は消滅する」とは言えないと断言する。会長は経済発展と文化継承の関係について「ある文化が社会の進歩に伴い発展することができないのなら、その結果は博物館に送られるだけであり、人々を潤すことなど全くできない」と指摘する。

 

会長が特に深い感銘を受けたのは青蔵鉄道だ。「この鉄道の建設は、西蔵の人々の対外交通を改善し、西蔵の経済発展に重要な基礎を提供した」。会長はダライ・ラマが青蔵鉄道の建設に抗議したとの報道について「西蔵の人々の幸せを無視するに等しい。彼が西蔵の経済発展に反対することを示すものだ」と指摘する。ダライに関する話では「国は宗教の自由を保護すべきだが、宗教も国に反対すべきでない」と述べた。

 

中国のプラスの情報を西側社会にもっと伝えるべき

 

デュブリュール会長の目に映る西蔵は、比類なき自然風景を誇り、経済建設も急速に進展している。ただ残念なのは、フランスの一部の友人はそのようには捉えていないことだ。会長は新著を出版した際にフランスで講演を行ったが、聴衆はそこに描かれた中国の西蔵の様子を非常に意外に受け止めたようだ。彼らの頭の中の中国は、依然として歪曲された情報でできていたのだ。

 

「中国は大量のヒト・モノ・カネを投じて西蔵のインフラを整備している。それならばプラスの情報も外に伝えるべきだ。チベット人に伝えるだけでなく、それよりも西側社会に伝え、誤解を取り除く必要がある」。会長は中国政府に、より多くの、より良い意思疎通を図り、中国のプラスの面を積極的に世界の人々に紹介するよう提言する。

 

「人民網日本語版」  2008年4月21日

 

 

 
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