「チベット問題」は宗教問題ではない

 

ダライラマグループが国際社会が「チベット問題」に関心を寄せるよう呼びかけた際に持ち出した名義はいわゆる「宗教問題」、チベットの人たちには「宗教信仰の自由がない」などなどである。

 

しかし、まさに『ヒンズー新聞』編集長のラシムハン・ラム氏が述べたように、「ダライラマグループの中国に対する多くの非難は事実と合致しないものである」。

 

チベットの宗教の発展は現実の必要に適応していないのか?

 

現在チベットにはさまざまなスケールのチベット仏教のお寺が1700カ所以上があり、僧と尼僧が4.6万人以上もおり、このほかさらにモスクが4カ所、カトリック教会堂が1カ所あり、さまざまな宗教活動と生活が正常に行われている。人口で計算すれば、チベットでは平均1600人ごとに1カ所の宗教活動の場所がある。イングランド地域では、平均3125人ごとに1カ所の教会堂があるだけである。ここ数年において、毎年何人かの仏学を勉学して成果をおさめたゆえにチベット仏教のゲシラランバという最高の学位を取得した人がおり、それぞれのお寺ではすべて非常に特色のある仏教の経典をめぐって弁論する場面を目にすることができる。大活仏の転生、仏教行事、学位の回復などは、チベットの宗教活動が正常に行われていることを十分に示すものである。

 

チベットの宗教を信仰する一般の人々の宗教生活に自由はないのか?

 

チベットでは、どこでも見られる経幡(仏教の旗)とマニドイ、ひっきりなしに転経筒をまわしている大衆、盛んに行き来するお参りに来た信者たちなどは、すでに宗教と文化の景観となっている。宗教を信仰する人々の家にはほとんど経堂があり、仏像を祭っている。地面にひれ伏し、明け方に線香を焚き、神山・聖湖に対する参詣、お寺参詣、宗教の聖地を巡っての転経筒をまわしながら宗教の聖地めぐりなどは、一般の人たちの宗教生活が非常に豊富であることを示すものである。毎年ラサに行って参詣し、線香を焚くチベット族の人たちは百万人以上に達し、1年に1度のシュドン祭の期間の宗教活動及びヒツジ年のナムツォ湖めぐりなどの宗教活動はいずれも正常に行われているとともに、各方面の尊重を受けている。

 

チベットの宗教文化が発展をとげず、保護を受けていないのか?

 

これまでの20年間に、国はチベットのお寺、文化財・古跡と宗教場所を補修するために累計7億元以上を投下し、多くのチベット仏教の経典は緊急措置のもとでの保護と科学的な管理を受けている。ポタラ宮とロブリンカ寺、サギャ寺という三大文化財・古跡は適切な補修と保護を受け、16年間にわたるチベット語の『大蔵経』の整理、出版を完成し、『ガンチュル』、『タンチュル』というチベット仏教の経典といくつかの仏教儀式の規則、伝記、論著の単行本が国の出資協力を得て刻印刷された。チベット暦の新年、サガダワ祭、ワンゴ祭、シュドン祭などと多くのお寺の宗教祭日・祝日行事ももとどおり残され、受け継がれるとともに、全国、さらには世界のさまざまな新たに認められた祭日・祝日行事も取り入れることになった。チベットの宗教文化の中で、主導的地位を占めているチベット仏教の文化は原初的信仰文化、ベン教文化とともに輝きを放っている。

 

政府の宗教信仰の自由に対する尊重は、深い民族文化の伝統に根を下ろし、さらに憲法と法律によって保障されている。今日、宗教信仰の自由はすでに公民の基本的な権利の1つとなっており、正常な宗教活動および宗教団体、宗教活動の場所、宗教の教職人員と宗教を信仰する公民の合法的権益はいずれも法律の保護を受けている。古いチベットの『16の法典』などの地方法典の中では、チベット仏教だけが唯一信奉し、推進すべきものとなっており、その他のいかなる異なったタイプの宗教を崇拝し、信奉してはならず、宗教信仰の面で明らかな規定性を持っている。宗教信仰の現在と過去の対比の中から、チベットの宗教は現代の法律の保護のもとで文明と進歩へ向かっていることをはっきり見て取ることができる。

 

これらの事実は、「チベット問題」は決していわゆる「宗教問題」ではなく、「宗教問題」はダライラマグループの人の同情を得るためのいくつかのカードの1つに過ぎない。「チベット問題」の本質は、「チベットの独立」を企て、祖国を分裂させることであり、これは「宗教問題」で覆い隠すことができるのか?

 

「チャイナネット」 2008年4月30日

 

 

 
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