15枚の金メダル獲得者、成田真由美選手

 

 成田真由美選手は、パラリンピック日本代表選手団のスター級の人物である。1970年生まれの彼女は、すでに4回のパラリンピックに参加している。アトランタ、シドニー、アテネでは、あわせて50メートル自由形、女子150メートル個人メドレー、50メートル平泳ぎなど、自由形、背泳ぎ、平泳ぎなどの種目で15枚の金メダルを獲得している。それはパラリンピックの「全能の奇才」である。それ以外に、成田選手は、2枚の銀メダル、3枚銅メダルを獲得しており、あわせるとメダル獲得数は20枚となる。

ただし、今大会では成田選手はおそらく1枚のメダルも獲得できないといわれる。なぜなら、彼女はこれまでのS4(運動機能障害4)からレベルアップしてS5(運動機能障害5)の競技に参加しているからである。パラリンピックの競技のうち、これは、彼女が障害程度の軽い選手たちと競うことを意味し、メダル獲得の難易度は自然に高くなる。昨夜は、女子50メートル平泳ぎ、S5級の決勝に参加し、5位となった。成田選手は、取材を受け、いつもの笑顔とともに「すでにこれほど沢山の金メダルを獲得できたので、競技に参加する目的はそこにはありません。もっと高い目標に挑戦することです。あと二つ、試合があります。決勝に参加し、自分の努力を示すことがメダル獲得よりももっと重要です」と日本の記者たちに答えた。

38歳、川崎生まれの成田選手は、既婚、事務職であり、いまは横浜のあるスイミングクラブで水泳とトレーニングを続けている。成田選手は、中学時代、大病により障害が残り、またのちにはひどい交通事故にあい、二度のショックにより車椅子の生活を余儀なくされた。けれど、成田選手は自暴自棄になることはなく、水泳が彼女の生きる希望と喜びとなっている。1994年、24歳の彼女は藤本コーチの指導下、水泳をはじめ、粘り強く、困難を恐れず、最後までやりぬく性格によって短期間に猛烈な進歩をとげた。2年後のアトランタでは、金2枚、銀1枚、銅2枚の5枚のメダルを獲得、瞬く間に日本人の心の英雄となっている。シドニーでは、金6枚、銀1枚を獲得、四年前のアテネパラリンピックでは、金7枚、銅1枚を獲得し、彼女のスポーツ選手としての障害の頂点に達した。

 

 

人民中国インターネット版 2008年9月9日

 

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