大地震の後、中国での対日観が改善したか? 

 遼寧師範大学外国語学院  万晨

「援助だ!支援だ!オリンピックだ!チベットだ!中国人だ!日本人だ!今はそんなことどうでもいい!一分でもいい一秒でもいい、誰でもいいから早く救出してあげてください。まだ生きている人がたくさん瓦礫の下敷きになっいるはずだ。」

「一刻も早い災害派遣を望む。思想、体制は違っていても人命は尊い。地震大国の日本も他人事じゃない。」

「いまだ残るたくさんの苦しんでいる方たち、あきらめないで、きっと救助人が来るから、一秒でも早く見つけてほしい。」

日本のインターネットの掲示板にこんな書き込みが相次いでいる。確かに、自分の子供が瓦礫の下から泣き叫んで助けを求めている姿を誰もただ見ているしかないなんて耐えられない。

人の心には国境もなければ人種もない。こんな災害を前にして、われわれ中国人だけでなく、世界各国が注目している。日本語を勉強している私は特に日本の姿勢に関心を持つ。

五月十二日午後六時。地震が発生して三時間を経て、日本のNHKテレビ局は中国四川省大地震をトップニュースとして放送した。日本政府もすぐ五億円を「緊急援助」として寄付すると発表した。その上、援助隊や医療チームを相次いで派遣した。日本の各チェーンストアは店頭ポスターで「中国四川省地震義援金」と掲示し、レジカウンターに募金箱を設置した。つまり、日本の都市でも田舎でも、あちこちで中国につながった箱が設けられた。そのほか、日本の各テレビ局や各紙も募金のためにホットラインを開設した……

日本に留学している友達から電話があった。彼女のまわりに住んでいる日本人は彼女が中国人だということを知って、みんな「お宅は大丈夫か」と見舞った。町を歩いていたとき、ある日本人が「中国四川省地震のため寄付していただけませんか」と声をかけられることもあったという。

そんなことを聞いて、私はとても感動した。インドネシアの津波やミャンマーのハリケーンや、あるいはほかの国の災害には、わが国もすべて援助したが、それは全部国家として寄付したのではないか。国民が自発的に組織して募金することはなかっただろう。ほかの人は分からないが、私は一分たりとも寄付したことはなかった。日本の庶民はみな気立てがよい人間だ。

中国では長年の歴史問題に続き、中国製ギョーザ中毒事件、チベット事件をめぐる日本側との立場の対立で、反日感情が根強いが、今回、一斉に意識を転換させた。

ネット上では愛国主義青年の書き込みの中に「感謝」の文字が躍る。日本の救援隊による夜を徹しての手作業での母子救出劇について「ありがとう!中国人民は彼らを絶対忘れない」、「以前の嫌悪をなくして、ともに家庭を作ろう」といった感謝の書き込みが集まる、「日本の姑息な手段だ」といった反日に徹する書き込みもあるが少数派だ。中国各紙も好意的に報道しており、「日本人が蓄積した豊富な地震との闘争の経験を学ぼう」と呼びかける論評も少なくない。

温家宝総理の「氷を溶かす旅」、福田総理の「迎春の旅」、または胡錦濤主席の「暖春の旅」等、中日双方の努力によって、両国民の友好関係が暖かくなっている。「いつまでも恨み続けるだけではなく、歴史を鑑とすることで、未来に向かって平和を愛し、平和を維持し、中日両国の人民が世代を超えた友好を保ち、各国人民が太平を永遠に享受するためだ。」と胡錦濤主席が述べたように、中日双方は新たな局面を迎える。われわれは今、チャンスを捉え、多種多様な交流活動を大いに展開し、友好の種を広くまくことによって、中日友好の旗印を代々受け継いで行く必要がある。そうすれば両国の人々は理解と友情を更に深められる。私もそのために尽力したいと思う。

創作のインスピレーション 

このたび、「笹川杯征文大赛——感知日本」で優勝奨をいただきまして、とてもうれしいです。まず、評選委員会および全ての関係者の方々に感謝申し上げます。

私は小さいときに日本語と恋に落ちました。「好きこそもの上手なれ。」といいますが、私はそうではありません。でも、大学の四年間、私はよく図書館に行って、日本語の本を読んでいます。そんなある日、私は「人民中国」に出会いました

。この雑誌を通して、いろいろな中国のことを日本語でどういう風に表現するのかを勉強できるので、私は大好きです。ですから、日本人の先生が私たちに「笹川杯征文大赛——感知日本」を教えてくれたとき、私はすぐ、ぜひやってみようと思いました。

ちょうど中国四川省大地震が発生した時で、世界各国が中国に目を向けていました。地震大国の日本も他人事ではないといって、すぐ中国と助け合って援助してくれました。そのことに私はとても感動したのです。その感謝の気持ちを表すために、この作文を書きました。今後、中日両国の関係がさらに前進することを心からお祈りします。

 

人民中国インターネット版 2008年12月4日

 

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