経済学者インタビュー(2) 経済危機にひそむチャンス

 

レー氏によると、海外の資産や資源を購入にあたっては、確かな時期をとらえ、確かな対象を選ばなければならない。むやみに「底値買い」に走ってしまえば、チャンスをつかむことができないどころか、新たな負担を背負い込むことにもなりかねない。

世界経済は09年も依然として急速な下降を続けており、中国経済にもはっきりとした打撃を与えている。これは疑うことのできない事実だ。だが同時に、4兆元の投資も急ピッチで実行が進められており、出稼ぎ労働者や大学生の就職問題解決に政府も力を入れている。これらの政策措置の効果には庶民も自信を持っている。

「中国経済の全体の流れから見ても、大きな枠組みそのものに問題はない。経済危機は中国から発したものではない。輸出の減少によって輸出型企業の一部が営業を停止した。だが中国経済のファンダメンタルズに変化はない」。レー氏によると、自信の維持にはこれらの要素がとても重要となる。

国際金融危機は、経済成長の減速と失業人口の増加という2つの試練をもたらした。だがレー氏によると、これらの試練は同時に、2つのチャンスを伴っている。産業のグレードアップと経済の転換を進めるチャンスと、労働者の能力を高めるチャンスだ。

「経済成長を安定させると同時に、自主革新や産業グレードアップ、経済転換を進めることができれば、経済成長を回復できるだけではなく、これまで以上の経済クオリティーも実現できる。また労働者の能力アップをできるだけ早く進め、各分野の人材不足を補うことによって、今後のさらに大きな打撃に企業が備えることを助けることもできる」と所ホ氏は指摘した。

*「レー以寧」はがんだれに「萬」

 

「人民網日本語版」 2009年3月5日

 

 

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