花田美香さん(上海万博情報センター主任)  
 

 

トキが主役の舞台劇

 

日本からは、日本館のほかに日本産業館がつくられる。2009年7月4日、日本産業館の起工式が行われた。式典には上海世博会事務協調局長洪浩氏(左)、日本産業館の代表兼総合プロデューサーの堺屋太一氏(中)、上海日本国総領事横井裕氏(右)が出席し、テープカットを行った

上海万博の「日本国家館」(日本館)の建設は、日本貿易振興機構(ジェトロ)上海センターが全面的にその役目を担っている。そのセンターで副所長を務め、上海万博情報センター主任でもある花田美香さんに、日本館とその見どころについて話を聞いた。

――上海万博の日本館について、進展状況を教えてください

花田美香(以下「花田」と略す) 現在、日本館はまだ建設中で、今年12月に建物全体の建設が完成予定です。展示内容のほうは、すでに決定しており、展示品を作成しているところです。万博開幕の時間が迫っており一刻の猶予もありませんが、正式開幕前には、完成します。

私は、ジェトロ上海センターの仕事をも兼務していますが、現在、精力の9割は、この日本館建設に注いでいるといっても過言ではありません。

――今までの万博の日本館と異なる点はありますか

花田 現在公表している日本館の展示内容は、それほど多くなく、理解しやすいものとなっていますが、過去の万博の日本館と比べると、いくつか異なる点があります。

以前は日本館の建設は政府が全責任を負っていましたが、今回は「官民一体」の様式を採用したことです。資金面でも、政府と民間からそれぞれ半分ずつの出資になります。資金や活動の規模を問わず、今回は以前よりさらに良いものになるだろうと、私たちは期待しています。

また、上海万博の日本館は、愛知万博の理念を受け継ぎ、環境を重視したものです。建物自体にも、環境に配慮したデザインを多用し、展示内容も環境保護に関するものが多いです。

――展示の見どころを教えてください

花田 どの展示も、興味深い内容となっていますが、中国の人々が特に関心を持たれているのは、日本のロボットではないでしょうか。これは、上海万博の日本館での展示を予定しています。

それ以外では、日中2人の監督が合同で指揮を執った舞台劇がもっとも注目に値すると思います。過去の日本館には、このような舞台劇のスタイルはなく、今回が初の試みです。

私たちは、環境問題を解決する過程において、技術だけでは不十分であり、1人ひとりが環境保護に関心を持ち、共同で努力することが必要だと考えています。

この舞台劇の主役は、日中友好と生態保護を象徴するトキです。かつて、日本にいたトキは絶滅してしまいました。現在のトキは中国から日本へ贈られたもので、みんなの努力を通して、日本で再びトキを繁殖させようとしています。舞台劇では、環境の変化に比較的敏感なトキに適した良質な環境を、地元の人々がどのようにつくり、トキの繁殖へ結びつけていったかを描いています。

私は、環境保護の面において、これはとても良い例の1つだと思います。

――過去の万博と比べ、上海万博の最大の魅力と意義は何だと思われますか

花田 上海万博の規模は非常に大きく、世界の注目度も前回以上です。今回の万博の成功は、上海の発展を促す非常に良い機会となるでしょう。

たとえば、みんなが環境問題を重視するきっかけになったり、サービス業のレベル向上などが挙げられます。

経済面では、中国経済に対してメリットがある以外に、さらに重要なのは、金融危機による経済低迷期において、世界経済を促進する作用を生み、経済発展の原動力となってくれることです。

このような時期に、私が上海で仕事ができて、とても光栄に思います。

――上海に対する印象はいかがですか

花田 上海が発展するスピードは非常に速いと思います。私は上海で仕事をして3年になりますが、上海へ来た当初は、地下鉄のラインは3つしかありませんでした。今は13ラインになり、その総距離は東京の300キロを大きく上回り、もうすぐ400キロを超えようとしています。上海のインフラ整備の発展の速さには、目を見張るばかりです。また、人々の生活水準も高くなりました。街頭の女の子たちの服装も、ますますおしゃれになっています。

上海の発展は、まるで映画の早回しを見ているようです。

――日本館以外に、注目しているスポットはありますか

花田 中国館です。建物の造りが非常に大きく、その大きなスペースでどんな展示が行われるのか、私自身とても興味があります。

――万博期間中、多くの日本人が上海を訪れると思います。万博会場以外に、みなさんにお勧めしたい上海のスポットはありますか

花田 日本人が上海で興味があるのは、やはり食べ物、そしてエステ、マッサージではないでしょうか。しかし私は、日本人観光客に、一般市民の普通の生活に注目してほしいと思っています。

その中で私のいちばんのお勧めは、早朝の公園です。朝早くから、多くの市民、特にお年寄りが公園で体操をしたり、踊ったりしています。これは日本ではなかなか見ることができない光景です。中国のお年寄りはとても元気で、体も大変柔らかいですね。彼らの姿を見ていると、私も感化されて活力がわいてくる気がします。

彼らは、普段の生活の中で楽しみを見つけるのがとても上手で、私たちの生活に比べ、より楽しさに満ち満ちていると思います。

 

人民中国インターネット版 2009年10月23日

 

 

 

 
 
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