万に一つのミスもなくセキュリティーを確保  
 

王新玲=文 

劉洪凱
4月9日午後3時。しとしと降り続く春雨の中、武装警察上海市総隊の1万余人が中国館の前で、「限りない忠誠心、試練に耐えうる資質、献身精神をもって、万博のセキュリティー任務を完遂します」と宣誓した。先ごろ、本誌は武装警察上海市総隊の劉洪凱総隊長にインタビューした。劉氏は上海万博のセキュリティー指揮部の副総指揮長という立場にある。

――上海万博のセキュリティー指揮部の副総指揮者として、この仕事で一番難しい事は何だと思いますか。

劉:胡錦濤国家主席は、万博の期間においては万に一つのミスもなく安全を保障しなければならない、と指示された。これはプレッシャーでもあり、原動力でもある。われわれは万博のセキュリティーの最前線に立っている。万博の期間に、中国共産党上海市委員会、市政府、航空、橋などの重要なターゲットを守る普段の任務は一段と重くなり、対テロの情勢も普段より厳しくなるので、プレッシャーは大変なものです。以上の任務を完遂する上に、さらに万博セキュリティーの仕事もこなさなければならないので、われわれにとって挑戦的な課題です。

特に、万博エリアの地形の条件もあって、テロ対応のプレッシャーが非常に大きい。これまでの万博は、すべて郊外で独立している場所で行われたが、今回の万博は上海市の中心地域で行われ、周辺には高層ビルが林立しているだけでなく、万博会場は黄浦江をまたいでいるので、テロ攻撃を受けかねないところが多いです。テロ対策を厳密に実施するように要求されたが、非常に難度の高い仕事です。

――万博の対テロ対策について、簡単に紹介してください。

劉:万博のテロ対策は、上海の各機構が共同で指揮し、分担は明確です。対テロ指揮および業務はネットワーク化されており、軍隊、警察、民間が共同で対テロネットワークを形成しています。

万博のテロ対策では、予防措置が重要です。われわれはセキュリティー情報を効果的に収集する上に、公安などと力をあわせ、コミュニティーにも入り込んで、市民の皆さんとともにテロに対応することにしています。同時に、万博を背景として、隠れた危険をまじめに洗い出し、各種の予想に基づくトレーニングを行い、将兵の快速反応能力と柔軟に問題を解決できる執務能力を鍛えることにしています。

――テロ活動或いは予測していなかった事態が起きた場合、現場の人たちにアドバイスしたいことばをどうぞ。

劉:武装警察がいの一番に現場に駆けつけるので、最も大事なのは慌てないことです。万博会場内、そして他の場所にもわれわれ武装警察がいます。数百に上るパトロールチームは24時間上海でパトロールすることにしています。地下鉄駅の出入口でも、重要な時間帯には武装警察が執務していますので、どんな事が起きても、必ずいの一番に現場に駆けつけることができます。昼夜を問わず、場所を問わず、いの一番に駆けつけることにしています。

――万博のセキュリティーの仕事は、北京五輪のセキュリティーあるいは他の大型イベントの経験を参考にしているのですか。

劉:主に、北京五輪のセキュリティーの経験を参考にしています。明確にエリアを分け、エリアごとに責任者を配置し、一人一人の責任を明確にすることで、手柄を立てた人は表彰し、自分の任務を完了できなかった人はその責任を追究することにしています。

――万博のセキュリティーの任務をスムーズに完遂するために、関係者に対して、どのようなトレーニングを行ってきましたか。

劉:万博のセキュリティーの任務は種類が多く、基準と要求も非常に高いです。昨年から、われわれは万博のセキュリティーの仕事に参加する全ての人たちに対して執務トレーニング、セキュリティーに関するジャンル別のトレーニングを行いました。その後全員点検を受け、合格した人は証書を授与されました。これでめいめいが自分の任務、勤務エリアを明確に知り、突発事件が発生した際、正確に解決するノウハウを把握するようになりました。われわれはまた上海鉄道公安局の保安公司と協力し、ネット上での理論指導、集中的な技能トレーニング、職場実践などの方法を通して、万博の基本常識、基本的なエチケット、マナー、執務時の基本的な動作などのトレーニングを全部隊に普及しました。

――万博の期間に、どのようなハイテク設備がセキュリティーに導入されるのですか?ロボットは万博のセキュリティーの中で、どのような役割を果たすのですか。

劉:例えば、万博のセキュリティーの中で、われわれは最も先進的な車検システムを採用しています。この車検システムは、初めて大型イベントで使用されるようになるものです。このシステムを使うことで、車両は最短時間でセキュリティチェックをパスすることができ、これにより、交通のスムーズな流れも確保することができます。

皆が関心を寄せているロボットは、われれわれの設備の一種に過ぎません。北京五輪の期間にも配備されましたが、使ってはいませんでした。ロボットは主に爆弾テロを防ぐ時に使われるものです。瀋陽でハイジャック事件に対処する時に一回使ったことがありますが、この種のロボットは危険物を持ち上げて、爆発防止の筒に入れてフクをすることができます。そのあと、われわれはそれを簡単に安全なところへ運んで廃棄することができます。

――万博期間中、出展国が自力で催すイベントが多いようですが、それはセキュリティーにとって難度を高める要素ではありませんか。どのような対策を?

劉:確かに万博のセキュリティーに複雑性をもたらすことになるでしょう。このようなイベントは主に出展国がみずから主催し、みずから秩序を維持することになっています。事件が起きた場合、われわれはいの一番に現場に駆けつけて手伝うことになっています。

――万博のセキュリティーは既に準備万端だと言ってもよいでしょうか。

劉:万博が近づくにつれ、ますます緊張感を増し、実を言うと、既にスタンドバイの段階に入っています。われわれは既に準備万端で、上海万博の重要なイベント及び重要なパビリオンの安全を保障することができると思います。これから、われわれは張り詰めたトレーニングと内覧会の間で、実際の状況にもとづいて、細かい点の調整を行って、万に一つのミスもなくセキュリティーを確保します。

 

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