カンクンにおける「国連気候変動枠組み条約締約国第16回会議」に対し中国が期待するもの

 

中国のカンクンへの期待

中国政府はかねてより気候変動問題を非常に重視しており、中華民族と全人類の遠い未来の発展において大きな責任を負う、という観点から、適切で有効的な国際協力、気候変動への共同対応を主張している。現在の国際的な交渉において、もっとも核心的な義務は、「バリ・ルートマップ」の権限の厳守であり、「国連気候変動枠組み条約」および「京都議定書」の全面的、有効的、持続的な実施、および気候変動の緩和、適応、技術移転および資金援助の全面的計画、考慮をさらに一歩強化することである。

カンクンが近づくにつれ、各方面はみな、この先の会議に対し積極的に準備を進めている。

国際的な気候変動の交渉における積極的、建設的な参加者として、中国はカンクンでの会議において、すでにある法律の基礎のうえに、「国連気候変動枠組み条約」と「京都議定書」のグループが法定した交渉のメカニズムを通し、「バリ・ルートマップ」実行に関する交渉の義務を完了させ、法的拘束力を持つ成果の合意を希望している。

第一に「国連気候変動枠組み条約」「京都議定書」のグループの話し合いを通して、先進国が「京都議定書」の第二約束期間のCO2排出指標を確定することである。議定書グループは、「バリ・ルートマップ」の実行における2ルートの交渉メカニズムの重要な1ルートであり、「京都議定書」の第一約束期間は、2012年末が期限であり、現在、残された時間は多くなく、議定書の第一、第二の約束期間に空白を出現させないために、「京都議定書」グループは、交渉を完了させることが目下、もっとも緊迫した義務となっている。

そのほか、「京都議定書」グループの交渉義務の完了もまた、「国連気候変動枠組み条約」グループが話し合いにおいて展開を得るための重要な条件であり、特に「京都議定書」の先進国家締結国が、さらにCO2削減指標を明確化してはじめて、「国連気候変動枠組み条約」の長期協力行動特別設置グループ下の非議定書先進国締結国がそれと比較できるCO2削減指標を確定できる。そうしてこそ、カンクン会議において、「国連気候変動枠組み条約」と「京都議定書」下の先進国家の第二約束期間におけるCO2削減目標指標の交渉方面において実質性のある進展を得ることができ、交渉によって得られた共通認識をしっかりとしたものにし、交渉が正確な軌道と方向に沿って進むにあたり、堅実な基礎となる。

二つめは、「国連気候変動枠組み条約」グループの話し合いを通し、(気候変動の)緩和、適応、資金、および技術移転の問題を解決することである。「国連気候変動枠組み条約」グループの交渉は、バリ行動計画に沿って進められ、非議定書先進国締約国(主にアメリカ)のCO2排出指標を確定し、あわせてCO2排出指標の幅、性質、および遵守のメカニズムにおいて、そのほかの先進国国家との比較性を確保することであり、また有効的なメカニズムの建設を通し、先進国が発展途上国にむけ、適切に資金を提供し、技術を移転し、能力を建設することを承諾し、それによって、発展途上国が気候変動を緩和させ、気候変化に適応することを可能にすることである。特に、コペンハーゲンでの「国連気候変動枠組み条約締約国会議」において先進国が承諾した300億ドルの緊急発動資金の遂行について、具体的な計画を作成し、資金の分配をできるだけ早く明確化し、資金が適切な時と場所に至ることと、資金の管理および使用についての方法を確保する。これこそが先進国と発展途上国の間の相互信頼の建設にあたっての鍵である。発展途上国は、先進国の技術、資金、能力の建設による支援下、持続的発展の枠組みのなかで、その国情にそって(気候変動の)緩和の行動をとることになる。

当然のことながら、上述した目標は、簡単に実現するものではなく、多くの困難が克服されなければならず、特に先進国は、現在掲げているCO2削減指標と承認し負担すべき歴史的責任および、発展途上国の要求には、はるかに及ばず、発展途上国の適応、資金、技術移転および具体的提言に対する回答と発展途上国のもつ期待とは、大いに隔たりがある。「京都議定書」の放棄という主張は、発展途上国の立場とまったく食い違っており、「バリ・ルートマップ」の権限に定められた交渉の義務は、多くの困難に直面している。だが、気候変動に対する国際的な協力は、多くの人の心と大局が向かうところであり、我が国は、一貫して積極的で建設的な作用を発揮し、各方面とともに努力し、カンクンでの大会における「バリ・ルートマップ」の要求に応じ、全面的で平衡のとれた拘束力のある成果の取得を推進するものである。

蘇偉:2009年コネペンハーゲンにおける「国際気候変動枠組み条約締約国会議」中国政府代表団副団長、中国主席交渉代表

 

人民中国インターネット版 2010年9月20日

 

 

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