日本と中国のゴミ

湘潭大学 袁江

「海で泳いだの?」と聞かれたので、「いえ、ただ足を濡らしただけ。泳げないから。」と答えました。確かに、せっかく海に行ったのだから、海水浴すればさぞ楽しいでしょう。

私の故郷の村は、小川があるだけです。つまり水泳の条件が調っていませんでした。水泳はできませんでしたが、小学校のころ、夏になると、放課後、みんないつも小川に行って、時々、石の下のカニを探したりしました。日が沈むと、家に帰りました。稲の収穫の日、午前中収穫を手伝うと、私のような子供は体中汚れまみれになりました。だから、小川の水が深い所で、体を洗いながら遊びました。でも、その小川はだんだん汚れてきました。五年も経つと遊べなくなり、今ではますます汚染がひどくなっています。道路は全部セメントで作り変えられて、晴れでも、雨でもいつも楽に便利に通れるようになりました。ですが、小川の中で遊ぶ子供の笑い声がなくて不自然な感じがします。小川を見ても、小川の底の石がはっきり見えないので、一層寂しさが増したような気がします。たぶんもう家に上水道があって、小川の水を直接飲まないので、もう清澄な水を守る意識がなくなってしまったのでしょう。

ここ数年で、中国は経済的には大きな発展を遂げたと世界から認められました。けれどもそれと同時に、利益だけを重視しているとも言われています。この意見は一部を見て全部を判断している結果だと思います。でも、中国の環境問題は確かに大変深刻です。

今は、北京や上海のような大都市はかなりきれいですが、それでもごみの分別の方面ではもっと努力の必要があります。一般的な町や村の状況は大都市と比べると悪いと言わざるを得ません。

一方、日本は中国と「一衣帯水」の隣国でありながら、環境の様子は全然違います。町はどこもきれいで、各家庭のごみは細かく分けて出されています。それに、工業廃水が流れる川でも魚が生きられるほどだそうです。日本は環境を愛する一番の国だと言われています。こんな讃美が贈られるのには理由があるのです。

実は、日本の環境は、以前は今のようにきれいではありませんでした。日本は高度経済成長期、公害問題が世界のどの国より深刻だったそうです。「公害先進国」とまで言う人もいたそうです。観測記録によると、一年間に東京から富士山の見える日はたった17日間という時期もあったそうです。ゴミも多すぎて、処理が難しく、地中に埋めることが多かったそうです。でも、2003年、富士山の見える日は100日になったそうです。今は、みんなできるだけゴミをあまり出さないように努力しています。

日本はいい手本でしょう。いつもの日か、中国の環境も必ず日本のようにきれいになると信じています。でも、その日は一体いつになるでしょうか。

中国政府は法律を作ったので、都市でゴミがゴミ箱に捨てられるようになりましたが、ゴミの量は少しも減りません。例えば、毎日、食事の後、いつも食べ物を残します。日本は中国より豊かですが、いつも料理は全部食べるそうです。残したら、自分で家に持って帰ります。

また、日本では散歩の時のペットの糞も紙で包んで持ち帰るそうです。そこまで環境を守ることに配慮しているのです。日常生活の中でも、ゴミの量を減少させることとゴミを再利用するために、家庭のゴミはゴミの種類に応じて収集日が違っています。例えば、可燃にゴミは月・水・金曜日に収集して、粗大ゴミは第3火曜日に収集するといった感じだそうです。

中国の小さい町や村では、法律はほとんど効果がないようです。民間の企業も汚染のひどさに関心を持たないそうです。この事態をどうすればいいでしょうか。

日本で、あちこちゴミがあった状態からどこもきれいになった今の時点までに、政府と民間がどんな努力したのか知りたいのです。日本から学んで、中国のゴミ問題を必ず解決させます。

 

評:ゴミ問題に着目して中国の現状とよりましな日本のゴミ処理について比較検討していて、良く書けている。子供のころ泳いだ小川の汚染を導入にして、説得力がある。

 

 
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