外国メディア:中国の賃上げが世界経済に影響

 

ブルームバーグはウェブサイトで23日、中国の賃金アップは小売業の利益を減らし、債券需要を低下させることになると報じた。

3月5日に開幕する中国人民政治協商会議第11期全国委員会第4回会議で、代表らは内需拡大を目的とする5カ年計画を審議することになっている。クレディ・スイスによると、中国は2011年、31の省・市・自治区で2年連続となる最低賃金の引き上げを行う見通しだ。

クレディ・スイスアジア地区チーフアナリストの陶冬氏は、2010年を振り返り、賃金の大幅アップは世界の製造業のモデルと向こう10年のインフレ予期を新たに定義し直すとの考えを示した。

イギリスの小売大手ネクストは先月、中国の労働コストが上昇したため、同社の商品価格は2011年第1四半期と第2四半期に8%上がるとの見通しを発表した。また、ウォルマート・ストアーズの最大の納品業者である香港の利豊(リー&フォン)は、労働コストの上昇により、今年の中国の輸出商品の価格は15%上がると予想する。

香港のある上場企業は、深センの工場で働く労働者の賃金を今月から10%引き上げることを決めた。しかし、それでも労働者はまだ満足していない。33歳の出稼ぎ労働者の羅さんは、カルバン・クラインなど有名ブランドの下着を生産する工場で働いている。羅さんによると、故郷でも簡単に仕事が見つかるため、春節後に再び深センに戻って働く同僚は非常に少ないという。

米ウェルズ・ファーゴのアナリスト、ジェイ・ミューラー氏は、中国の世界のインフレ抑制に対する役割は次第に弱まっているとの見方を示す。

米連邦準備制度理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン元議長は2月17日、電話でインタビューに応じ、「今はまだ中国の賃金アップの初期段階にあるが、これは中国国内のインフレ問題を深刻化させるだけでなく、米国にさらに大きなインフレ圧力をもたらす」と述べた。

陶冬氏は、中国の輸出業の発展を後押しする出稼ぎ労働者の平均賃金は2010年に40%上昇したとし、中国の指導者は所得増による内需拡大を目指しているため、向こう3年で出稼ぎ労働者の賃金はさらに20―30%上昇すると見込んでいる。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年2月25日

 

 

 
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