GDP成長目標引き下げと経済モデルの転換

先に各地で開かれた「両会」での注目すべき現象が、第11次5カ年規画(2006~2010年 以下「十一・五」と略す)と比べ大部分の省・自治区で経済成長目標を引き下げたことだ。「十一・五」期間、広西チワン族自治区のGDPは年平均13.7%だったが、第12次5カ年規画(2011~2015年 以下「十二・五」と略す)では年平均10%とされた。内蒙古省は同じく17.6%を12%にしている。北京、上海、広東、浙江など東部の省では目標を一桁まで下げている。

全国代表大会(全人代)常務委員会委員で、中国民主建国会中央副主席の辜勝阻氏はこれについて、「各地のGDP成長率の引き下げから、地方政府が規模・数量目標重視傾向を改め、構造調整や産業のアップグレードの目標を強化していることが見て取れる」と語り、もし過去の低収入国を中収入国に向かわせた転換を第一次モデルチェンジとするなら、これからの10年ないし30年、中国が直面する最大の問題は「中所得国のワナ(middle income trap)」を乗り越え、高収入国となれるかどうかの第二次モデルチェンジだと指摘している。

辜委員は、安価で豊富な労働力資源は中国経済の第一次モデルチェンジを成功させる重要なエレメントとなった。しかし、最近の「用工荒」(農民工などの労働者不足)問題が日増しに際立っているのは、この発展の優位性が次第に失われていることを意味している。「十二・五」の重要な任務の一つは経済のモデルチェンジをはかり、長く安価な労働力に頼ってきた経済発展モデルを変革し、経済成長の新しい源泉を探し求め、内生的経済成長と科学技術的創造の推進力化を実現し、新たな経済成長点を育てていかなければならない。(劉玉晨=文)

 

人民中国インターネット版 2011年3月3日

 
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