中国の「ぶら下がり」取材はまるで「戦争」

全国政治協商会議開幕の3月3日に、会場となる人民大会堂前での「ぶら下がり」取材の様子

「両会」(全国政治協商会議と全国人民代表大会)の取材には、独特な光景がある。記者たちが全国政協委員や全人代代表を囲んで質疑する「ぶら下がり」取材である。

日本でもよくある光景だが、とにかく記者同士の競争レベルが違う。「両会」開幕時、駐車場から会場の人民大会堂までの約200メートルは記者たちの「戦場」となっていた。テレビなどでおなじみの委員や代表が姿を現すと、すぐ数十人の記者が「水も漏らさぬ」包囲網を敷き、進むどころか動くのさえ難しいほどだ。質問も順番ではなく、大声を出した者が勝ち。まるで大事件が起きたように見える。たまに、隣の記者から「この人はだれ?」と聞かれることさえある。

この激しい「ぶら下がり」取材の裏には、中国メディアの激しい競争がある。市場経済ルールも受け入れた中国メディアは、少しでも他社との差をつけようと奮闘しているのだ。

今年の「両会」には、海外メディアを含め約3000人の記者が登録している。記者会見などはネット上で文字による中継もされるので、他社と違った特色を出すため、記者たちは激しい「ぶら下がり」取材に走るしかないようだ。(文、写真=王征)

 

人民中国インターネット版 2011年3月6日

 

 
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