徐々に正常に戻る日本 東日本大震災・福島第一原発事故の説明会

在中国日本国大使館と日本貿易振興機構(JETRO)北京事務所が主催する「東日本大震災・福島第一原発事故事故の説明会」が4月21日朝、北京市の長富宮ホテルで行われた。

今回の説明会は、日本の関係部門が中国政府、企業、メディア、国民たちに福島第一原発の状況およびその影響を説明するために開かれた。

在中国日本国大使館・経済部の山崎和之公使は、「東日本大震災で2万7700人以上が死亡し、中国人の犠牲者も出た。犠牲者と遺族に哀悼の意を表すとともに、中国政府や国際社会が援助を提供してくれたことに感謝したい。日本政府は原発事故の解決に力を尽くしており、各国で関連情報を伝えている」とあいさつした。

原子力安全基盤機構(JNES)の佐藤達夫理事は、大震災と津波の発生後の女川原発、福島第一原発、福島第二原発、東海第二原発所の14基のユニットの変化について詳しく説明した。

事故発生後、原発周辺20キロメートル、またはその他の指定区域の人たちは避難を余儀なくされ、20~30キロメートル圏内の住人には屋内退避の指示が出された。

現在直面する課題は、放射性物質を含む汚染水の処理と拡散の防止だ。4月1日、高濃度の汚染水が海へ流出したことが発覚し、6日に流出停止を確認した。現在は汚染水の浄化、低濃度の汚染水の再利用に努めると同時に、専門家らは放射性物質の拡散を防止するため、地上と廃墟に合成樹脂の溶剤を散布している。

大気中の放射性物質データの測定を厳格に実施

東京電力は10分ごとに放射線レベルを測定し、その結果をすぐに発表している。放射線レベルは3月15日から上昇したが、27日から現在まで低いレベルを維持している。原発から100キロ圏内にある仙台市やいわき市の大気中の放射線量に異常は見られていない。

食品、野菜、飲用水、水産物の安全を確保

日本の関係機関は、食品などに含まれる放射線量を毎日検査し、基準値を上回る食品が市場に出回らないように制限措置をとっている。政府は3月23日、東京都で乳児に水道水を飲用させないよう呼びかけたが、その2日後に問題ないと発表した。

現場作業員の健康と安全を確保

福島第一原発で作業する従業員が受ける放射線量の基準を国際レベルの250マイクロシーベルト毎時(μSv/h)に制限した。4月5日までに、福島第一原発の作業員の中で100μSv/hの放射線を受けた人は21人で、250μSv/hを超えた人は一人もいない。

日常生活のいたるところに存在する放射線

1回の胸部X線検査でμSv/hの放射線を浴び、胸部CT検査では6900μSv/hの放射線を浴びる。また、東京からニューヨークまでの往復便に乗ると、200μSv/hの放射線を浴びる。今回の放射線漏れ事故に対し、私たちは正確な態度で、科学的根拠に基づいて判断する必要がある。

大震災の経済損失と再建計画

日本の内閣府によると、今回発生した大地震、津波、放射線漏れ事故により、日本は16~25万億円(1950~3050億ドル)の損失をこうむることになる。

短期計画では、早急に廃墟を片付け、仮設住宅を建設し、工業施設の修復を行う。中長期の計画では、警戒区域、環境保護体制、福祉体制を構築し、再建委員会を発足し、関連の法律を制定・改正する。

各国に進展状況を説明 国際組織と協力して困難を乗り越える

日本政府は国際原子力機構に関連施設の情報や進展状況を細かく伝え、外交手段を用いて世界各国と交流し、インターネットで安全情報などを発表している。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」より  2011年4月21日

 

 
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