中国は行政体制改革を深化

 

胡錦濤総書記は中国共産党創設90周年慶祝大会での演説で「中国共産党は長期的で複雑な厳しい執政の試練、改革開放の試練、市場経済の試練、外部環境の試練に直面している。精神怠惰の危険、能力不足の危険、大衆から乖離する危険、消極的腐敗の危険は一層先鋭化して全党の前にある」と指摘した。行政体制改革を深め、機能転換、関係調整、構造最適化、効率向上の必要性に照らして、サービス型政府、責任ある政府、法治政府、クリーンな政府を整備し、科学的政策決定、民主的政策決定、法に基づく政策決定を整備し、公共政策制定の透明性と公衆の参与度を強化し、政府に対する監督を強化し、社会管理機能と公共サービス機能を強化し、「権力は民のために用い、心は民とつながり、利益は民のために図る」を真に成し遂げる。これは現在直面する試練と危険を乗り越える上で当然必要なことだ。(文:葉小文・中央社会主義学院第一副院長、中国行政体制改革研究会顧問。人民日報海外版コラム「望海楼」)

近現代の世界の経済成長の歴史を見渡してみると、40年連続で急速な成長を維持した国はまずない。中国経済は「第4の10年」をうまく歩むことができるのだろうか。世界は刮目して待ち、議論が百出している。たとえば最近、ある欧米企業の「最高投資責任者」は「中国高官は現在、チェスのプレイヤーが恐れる局面??ツークツワンクに陥っている。どう駒を動かしても自分に不利になるのだ。行動であれ不作為であれ、その招きうる代価は経済崩壊だ」と、人々の耳目を驚かす発言をした。この投資責任者がこのように「中国衰退」を唱えるのは、経済的手段と行政システムを通じてマクロコントロール、経済成長パターンの転換、持続的発展の促進を掌握する中国政府の能力を全く理解していないからかも知れない。だがこれは反面、この発展・改革の要の時期、難関攻略の時期にあって、経済成長パターンの転換に自発的に適応して行政体制改革を深化させなければならないこと、そして行政体制改革の深化を通じて経済成長パターンの転換を促進しなければならないことをわれわれに気づかせてもくれる。温家宝総理は「行政体制を改革しなければ、一頭の馬が道を遮っているために万馬が前進できないような状況になる」と指摘したことがある。管轄事項の多い政府が良い政府でないのは確かだが、管轄事項の少ない政府が良い政府とも限らない。適切な管轄事項をしっかりと管轄できる政府こそが良い政府だ。われわれは行政体制改革を通じて、適切な管轄事項をしっかりと管轄できる政府の構築に努め、経済成長パターンの転換を加速する能力と方法を持ち、科学的発展を指導し、統合的に計画し、人々から強く指示される良い政府を構築しなければならない。

政治体制改革を積極的かつ穏当に推し進める上で、先頭を切るのが行政体制改革の深化だ。政治体制改革は党による指導を弱めるものではなく、強化・改善するものだ。党による指導を放棄するものではなく、その強化に寄与し、全局を掌握して各方面を調整する指導の核としての党の役割を堅持し、科学的執政、民主的執政、法に基づく執政の水準を高め、社会主義民主制度の整備と党の執政能力・方式の整備を同時に進め、党が人民を指導して効果的に国を治められるようにするものだ。行政体制改革は政治体制改革の他の構成分野と比べて、リスクコントロールが可能で、コストが低く、効果が大きく、全局に影響を与え、全局を先導するものであり、政治体制改革を積極的かつ穏当に推し進める上での突破口にして主要分野だ。このため先に試行し、一層加速し、深めることができる。

行政体制改革は結局のところ、政府の自覚的革命、自己革命であり、中央政府と地方政府の各レベル、各部門・地方の利益、統合的調整に及ぶものであり、各地区・部門の自覚と主体性のみに頼ることはできない。党の強固な指導の下、戦略的思考と長期的視点によって、トップのプランと全体計画をしっかりと行い、改革の優先順位と重点分野を明確にして初めて、行政体制改革を全面的に推し進め、実効を得ることができる。

 

「人民網日本語版」2011年7月14日

 

 
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