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市場経済の導入、改革は新たな段階へ

 

市場経済を取り入れた中国は経済発展を続け、2001年にはWTO加盟を果たした。写真はWTO加盟の調印式。

1980年代末から90年代初頭、中国共産党の発展はまた大事な瀬戸際に立たされた。ソ連の解体に伴って、東ヨーロッパ諸国は激変し、国際社会主義運動は衰退期を迎え、長く続いた東西の冷戦に終止符が打たれた。世界のこの大変動、大変化は中国に大きな影響を与えた。

一方で、世界には多極化のすう勢が出現し、西側の国々は社会主義国へのイデオロギー浸透を一段と強め、一部の開発途上国は経済のグローバル化が加速する時期をとらえ、力強い発展の勢いを見せた。中国は西側諸国の「制裁」を打ち砕いたものの、厳しい挑戦は依然として存在していた。また一方で、この種の複雑な形勢は一部分の幹部と群衆の思想に困惑を生じさせた。一部の人たちは社会主義の前途に自信を失い、改革開放に対してその名字が「社」なのか「資」なのかという疑問を提起し、党の基本路線には動揺が生じた。このように、国内外の各種圧力と困難に向き合い、いささかも動揺せずに党の基本路線を堅持し、改革開放と社会主義現代化建設を引き続き前進させることこそが、90年代に入って以降党が解決しなければならない重大な問題だった。

この重要な時期の1992年初頭、鄧小平は南方を視察し、重要な講話を発表した。1992年1月18日から2月21日、鄧小平は武昌、深圳、珠海、上海などを相次いで視察した。視察の途中、鄧小平はいく度も講話を発表し、以下の点を強調した。党の基本路線を100年堅持し動揺してはならない。改革開放をさらに大胆に進め積極的に試すべきだ。判断の基準は主に社会主義社会の生産力発展に寄与するかどうかとすべきで、社会主義国家の総合的国力強化に寄与するかどうか、人々の生活水準向上に寄与するかどうかで判断すべきだ。計画性が多いか市場性が多いかは、社会主義と資本主義の本質的区別ではない。社会主義は長い過程を経て発展し、必ず資本主義に取って代わる。これは、社会の歴史発展における不可逆的すう勢である。一部国家には重大な曲折が出現し、社会主義があたかも弱められたようだが、人々は鍛錬を経て教訓を汲み取り、社会主義をさらに健康な方向に発展させるだろう。私たちは社会主義建設に数十年行ってきたに過ぎず、まだ初級段階にあるのだ。

これらの講話は、科学的に中国共産党第13期中央委員会第3回全体会議以来の基本的実践と基本的経験を総括し、理論上から深く問題の本質に触れており、長きにわたって人々の思想を惑わせ束縛してきた多くの重大な認識問題に答えている。つまり、これは改革開放と現代化建設を新たな段階に推し進めるまた新たな解放思想であり、実事求是の宣言書だった。党中央政治局は、この講話は当面の改革と発展だけでなく、党の第14回全国代表大会にも、極めて重要な指導作用を持ち、また社会主義現代化建設事業に、重大で深遠な意義を持つと考えた。

党中央は迅速に鄧小平の南巡講話を全党に伝え、国務院も相次いで一連の改革開放と経済発展を加速する決定を行った。鄧小平の南巡講話の精神的指導のもと、1992年10月12日から18日まで開かれた中国共産党第14回全国代表大会で、明確に中国経済体制改革の目標が社会主義市場経済体制の確立であると提示した。ここから、中国の改革開放は新たな段階に入った。

 

人民中国インターネット版 2011年9月

 

 
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