日本―私があなたに言いたいこと

長安大学 史永楽

「頑張れ、日本!」、日本―私はあなたにそれを言いたい。

ビルが倒れて、にぎやかな町はあっという間に廃墟になってしまった。そして、大地震は津波を引き起こした、瓦礫と海水の混じり合った津波が、濁流のように家を、畑を、道路を呑みこんでいた。走っている車に波がのしかかった。かけがえのない命が呑まれていく。地震や津波による死者の数は日を追って増加し、犠牲者が何人になるのかも分らなかった。被災地の悲惨な状況を见るたびに、心が痛くてたまらなかった。その時、「頑張れ、日本!」と、私は叫んでいた。

地震が発生した後、日本人はすぐパニックから冷静さを取り戻していた。被災者は一所懸命恐ろしさを抑えた。何にも増して、この大災害を生き抜き、被災者としての自らを励ましつつ、また、国民一人ひとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、被災者とともにそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていく。私はこれからの日々を生きようとしている人々の雄々しさに深く胸を打たれた。

厳しい寒さの中で、多くの人々が、食糧、飲料水、燃料などの不足により、極めて苦しい避難生活を余儀なくされていた。政府は大きな力で被災者を救うことができる。これからも国を挙げての救援活動が進められ、被災者の救済のために全力を挙げることにより、被災者の状況が少しでも好転し、人々の復興への希望と愛につながっていくことを心から願わずにはいられない。この時、「頑張れ、日本!」、私はあなた(日本)にそれを言いたい。

地震のために、福島の原子力発電所からは放射能が漏れ出した。被害を最小限に抑えるため、50人の労働者は自ら望んでその原子力発電所に入った。その隔離地域に入ったら出ることはできないかもしれない。日本の安全のために、世界の安全のために、彼らは必死に愛と覚悟を抱いて原子力発電所に入った。彼らのことを見て、私は中国の四川省で起こった大地震を思い出した。その時、山崩れと地割れなどで、被灾地の地状况はめちゃくちゃになっていた。しかし、一日も早く被害者を救うため、何人かの兵士は必死の覚悟で3000メートルの高い空からパラシューで飛び降りた。人を救えさえすれば、自分の命を失ってもかまわない。これは本当に尊い愛の精神である。これがこそ人間として深く胸を打たれることである。私は中国だけでなく、日本の50人の労働者のその時に、「頑張れ、日本!」、私があなた(日本)に言いたい。

かって、鴨長明が『方丈記』のなかで「なごり、しばしは絶えず」とおびえた余震が、いま、東日本を不気味に揺さぶっている。長い災害の歴史が、今、また日本という国の地力を試している。「頑張れ、日本!」。私あなた(日本)にそれを言いたい。

「人とはなんて美しいものだろう、人が人であるときには」。古代ギリシャにこんな名文句があった。黙々と耐える被災地。一条の光さえ見えない方も多かろう。近くからも遠くからも、私たちは「頑張れ、日本!」という言葉で励ましたい。

大きな災難に出会ったときにつなぐための手が、私たちの心にはある。皆が一致団結すれば力は大きくなり、地震災害を克服できる。国が多事多難であれば、人民はかえって奮起して国の興隆をもたらす。

「頑張れ、日本!」。日本―私はあなたにその言葉を言いたい。

 

 
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