全国「両会」:民衆の注目点と指導者の視線

 

全国「両会」(中国人民政治協商会議と全国人民代表大会)の開幕が近づいてきた。今年の両会に関して、人々は何に注目しているのだろうか?社会的関心の高い話題のうち、代表、委員の視野に入っているのは何だろうか?代表、委員の注目点は民衆の声に沿ったものだろうか?

■大手サイトのアンケート:「社会保障」が3回目の首位

 各重点ウェブサイトでは両会の注目点に関するアンケート調査が進められている。

「人民網」のアンケートは20の選択肢を用意。2月29日夜時点でトップ10は「社会保障」「所得分配」「医療改革」「社会管理」「教育の公平性」「三農問題」「腐敗対策、クリーンな政治」「物価問題」「食品の安全性」「住宅価格調整」となっている。

黒竜江省ハルビン市最大の中低所得者向け住宅

「新華網」は22の選択肢を用意。現在トップ10は「貧富の格差の縮小」「物価安定と民生保障」「食品の安全性の監督」「社会保障システムの整備」「株式市場の信頼回復」「不動産市場の調整」「腐敗対策、クリーンな政治の強化」「末端組織での民主の推進」「交通渋滞対策」「医療改革の推進」となっている。

「光明網」と「鳳凰網」「網易」の共同アンケートでは現在「医療改革」「腐敗対策とクリーンな政治」「物価水準」「食品の安全性」「住宅価格調整」が上位に入っている。

アンケートへのネットユーザーの参加度は例年より大幅に高まっている。「人民網」のアンケートでは29日夜時点で「社会保障」が25万6631票で首位。「社会保障」は昨年も首位だったが、最終得票数は今年の3分の1以下の7万1090票だった。「社会保障」はすでに3回首位になっており、養老年金など社会保障問題への関心の高まりが見てとれる。

障害者の乗客のために車椅子を固定する北京市のバス職員

「所得分配」も常に上位5位内に入っており、しかも上昇傾向にある。今年初めてランクインした、インフラ整備などを含む「社会管理」は3位。「教育の公平性」も4位へと大躍進している。

注目点には新しいものもあれば、変わらないものもある。不動産関連の政策は特に注目度が高い。住宅価格の高騰をめぐっては不満の声に加え、様々な予測や期待の声が上がっている。中央が住宅価格調整策を堅持する中、「住宅価格」への関心は一向に下がる気配がない。このほか物価、給与、食品の安全などをめぐり、ネットユーザーは「自分が代表、委員だったら」との仮定で思う存分に発言している。

■指導者の視線:民生が主軸

全国両会:民衆の注目点と指導者の視線

指導者の注目点は何か?2月以降、中央政治局常務委員たちはいくつかの省(直轄市・自治区)を視察し、民意を把握している。中央指導者は何に焦点を合わせているのだろうか?そこから見えてくる両会の焦点とは何か?

(1)「三農」(農業の振興、農村経済の成長、農民の所得増と負担減)問題。温家宝首相は2月3、4両日に広東省広州市白雲区江高鎮水瀝村を訪問。「村の事は村民が決定すべきだ」と指摘。耕地を保護し、田園風景を守る必要性を強調した。

(2)実体経済の発展。賈慶林全国政協主席は2月14、15両日に北京市海淀区、昌平区、順義区、西城区、大興区、中関村国家自主イノベーションモデル区、北京経済技術開発区を相次いで視察。「実体経済の発展という堅固な土台をしっかりと押さえると同時に、中小企業支援策を強化し、零細企業を始め中小企業の健全な発展を促さなければならない」と強調した。

(3)中低所得者向け住宅の建設。李克強副首相は2月18日、上海市松江区で中低所得者向け住宅事業を視察し、長期的に有効な住宅保障の仕組みを整備する必要性を指摘した。

指導層の相次ぐ視察では、民生が主軸として貫かれている。このほか腐敗対策とクリーンな政治の推進、雇用問題、医療改革、金融の安全、貿易などは指導層の訪問時の重点であるだけでなく、最近の中央政治局集団学習や国務院常務会議などでも頻繁に議論されている。

 

「人民網日本語版」より 2012年3月2日

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