中国「両会」:「安定の中で進展を図る」

 

新年早々、世界銀行は世界経済について2012年は「非常に困難な1年になる」との見通しを示した。また、中国は安定成長、構造調整、インフレ抑制のいずれにおいても大きな圧力に直面している。

どのようにして安定した比較的速い経済成長を維持し、物価水準の基本的安定を維持し、経済構造の戦略的調整を加速し、新たな経済成長軸と競争優位を形成するのか。真正面から来る様々な試練に、中国の知恵が試され、世界も強く注目している。

内需拡大と消費促進で安定した比較的速い経済成長を維持

「中国経済は2013年にハードランディングする」「中国の急成長期は間もなく終る」----。世界経済回復の不確定性が高まり、西側世界が債務危機にあえぐ中、中国経済の好転は難しいと考える人々がいる。

「こうした見解は余りに悲観的だ。実際には現在の1%の成長は10年前、20年前とは比べ物にならない。成長速度の適度な減速は正常なことであり、過度に心配する必要はない」。中国(海南)改革発展研究院院長の遅福林委員は、中国経済の成長に有利な環境は根本的に変わっておらず、中国は依然として力を発揮できるチャンス期にあると指摘する。「だが同時に、国内経済の運営において不均衡、不協調、持続不可能といった矛盾や問題が依然際立ち、経済成長の下押し圧力が存在し、安定した比較的速い経済成長の維持が極めて困難であることにも目を向けなければならない」。

安定した比較的速い経済成長をどう促進するか。「根本的立脚点は内需拡大、特に消費需要の拡大にある。内需拡大は民生の改善と保障、サービス業の発展の加速、中所得層の比率の向上により重点を置かねばならない」。著英な経済学者の厲以寧委員は内需拡大には所得分配構造を調整し、中所得層の比率を高め、都市部と農村部の社会保障を一体化し、中低所得世帯の将来への不安を払拭することが必要だと指摘する。「お金があればみんな消費する気になるし、それが可能になる。庶民の生活が改善されれば、経済成長の動力も強化される」。

「消費は持続的経済成長の内発的動力だ。消費主導への移行には経済成長方式転換の成否がかかっており、改革の難関攻略の重点でもある」。遅福林委員は都市化における現在の最大の問題は農村からの出稼ぎ労働者2億5000万人の市民化であり、これは消費牽引における最も際立った問題でもあると指摘する。出稼ぎ労働者の市民化問題が適切に解決されれば、都市化を加速できるし、構造調整を促進し、サービス業の割合も拡大できる。

昨年1年間の努力によって、インフレ抑制は効果が出始めている。2012年も「物価安定」はマクロコントロールの主要課題の1つだ。「物価安定は庶民の切実な利益に関係し、庶民が真に実益を得る重要な道筋だ。物価が安定すれば人心も社会も安定する」。江蘇省政府参事室主任の宋林飛委員は「2012年も中国は輸入型インフレに持ちこたえ、解消し、過剰流動性などの圧力を緩和し、物価上昇圧力は昨年より軽減される。だが物価の絶対水準の引き下げの基礎はしっかりしていない」と分析する。

「安定の中で進展を図る」という全体的基調において、経済構造の戦略的調整の加速は当面の重要課題であるだけでなく、中国経済の持続可能な発展にも影響してくる。

 

「人民網日本語版」 2012年3月4日

 

 

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