学費免除に加え生活補助

 

沈暁寧=文 新華社=写真提供

マイマイティ・ニャズさん(45)は、新疆ウイグル自治区アクト(阿克陶)県巴仁郷のウイグル族の農民だ。彼にとって、2006年9月1日は一生忘れられない日になったに違いない。

彼は「その日は息子が中学進学を申し込む日でした。200元納めなければなりませんでしたが、お金が足りません。それで、息子には畑仕事を手伝わせて、学校へは行かせないでおこうと考えました。しかし、隣近所の子どもたちがみな学校へ行くことを知ると、息子は焦って、学校へ行きたがりました。そこで、私は学校へ行って、校長先生に学費の納期を待ってほしいと言いに行きました」と、当時のことを振り返って話してくれた。

学校へ向かう道々、彼は校長先生が自分の希望を聞いてくれないのではないかと、心配だった。それでも勇気を出し、校長に訪ねて来た理由を説明すると、校長は意外なことに、彼の手をしっかり握って、「ご安心なさい。今年から国家が私たちのような貧困地区の小中学生の学費と教科書代を免除してくれることになりました。急いで、息子さんを申し込みに来させてください」と、微笑んだ。

「私は大急ぎで家に帰り、すぐに、この吉報を息子に伝えました。すると、息子はオンドルの上に置いてあったかばんをつかんで、家を飛び出して学校に向かって駆け出して行きましたよ」と、話してくれた。その後、彼の息子にはさらに政府から寮生に与えられる生活補助費も支給された。「農業を営むわが家には20ムー(1ムーは約667平方㍍)余りの畑しかなく、子ども3人、老人1人を養っており、生活を維持するのがやっとで、子どもを学校に行かせる余裕はありませんでした。こうした国家政策がなければ、子どもたちは私と同じように貧乏な生活を送るしかなかったでしょう」と、かみしめるように語った。

いま、彼は他の二人の子どもも学校に行かせている。彼らも国家の義務教育制度を享受し、新学期が始まるとかばんを持って学校へ行き、勉強でき、学費はかからない。彼は「義務教育が子どもたちに勉強する機会を与えてくれました。私はいつも子どもたちに話していますよ。『義務教育がお前たちの運命を変え、わが家に幸福をもたらした。一生懸命勉強して、社会に貢献する人となってほしい』と」。彼は感慨を込めて話していた。

 

 

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