東京外国語大学外国語学部中国語専攻 中山一貴

(北京師範大学文学院にて2013 年3 月まで留学、日中交流学生団体京英会2013年度代表)

 

学生間の絆が生む日中両国の未来

日中国交正常化40 周年を迎えた今、両国の友好関係発展のため、私たち学生は何をすべきか。それは「学生のうちに強い絆を結ぶこと」に他ならない。

なぜ「学生のうち」か。日中両国民の相互理解を阻むものは、「中国は野蛮だ」「日本人は信用ならない」などといった一方的な固定観念や、政治・経済を中心とした複雑な利害関係である。しかしそのどちらからも縁遠い学生だからこそ、互いを深く理解し、損得抜きの友情を育むことができるのだ。

そして、その絆は私たちが年を重ね、日中の政治・経済・文化を担うような存在になったとき、両国間の交流を劇的に円滑化する大きな原動力となる。周知の通り、中国は良くも悪くもコネの社会である。「友人である」ことが思いがけない程に上手く物事を進めてしまうことは、21 歳になったばかりの私であっても既に何度も経験してきた。学生のうちに結んだ絆が未来の日中を動かす。私の所属する日中交流学生団体「京英会」が目指すのは正にこのことだ。

京英会の日中友好活動

京英会は中国語を学ぶ日本人学生と日本語を学ぶ中国人学生からなる団体で、毎年夏に日中それぞれ15 人ずつ、計30 人の学生が東京・北京に1 週間ずつ滞在し、テーマについての討論会や街頭アンケート、文化体験や地元の方がたとの交流会を日本語および中国語で行う「日中相互訪問プロジェクト」を主な活動とする。その目的は、プロジェクトに関わる1 人でも多くの人びとの間で相互理解を実現することと、そして何より参加学生30 人が互いに強い絆を結ぶことである。

東京では日本語、北京では中国語で議論し、寝食を共にすることで、日中の学生が自分らしく、本音で語り合うことが可能となり、そこに強い絆が生まれるのだ。こうして1 人の日本人学生が、15 人の中国人学生との間で15 の絆を育むこととなる。つまり、この活動を継続させることで、日中の絆が毎年15×15=225 ずつ増えていく。10 年後、20 年後、その無数の絆が日中両国をつなぐ友好の橋となることを信じてやまない。

京英会代表、そして留学生の私の使命

中国語を専攻する学生として中国の文化・社会・歴史を誰よりも深く学び続けること、中国への留学生として自分が見聞きしたこと全てを1人でも多くの人に伝え続けること、2013 年京英会の代表として日中学生間の絆を結び、守り続けることを誓って結びの言葉としたい。

 

中山一貴ブログ「北京を学び、食す」:http://overk.jugem.jp/

京英会公式ブログ:http://jingyinghui.jugem.jp/

 

 

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