資生堂(中国)研究開発中心有限公司総経理 石舘周三

 

今年で創業140周年

資生堂は1872年に創業しました。以来、140年にわたり日本の化粧品技術をリードしてきました。1981年に中国進出をしてから30年。大都市では百貨店、地方都市では化粧品専門店などを通して販路拡大を図り、中国のお客様の意見・要望をよく聞きながら、地道に経営してきました。

中国の方に資生堂が受け入れられ、知名度が高くなった理由として、140年も日本人の肌を研究している会社の商品は品質に信頼があること、同じアジア人なので、日本人の肌質と似ていて、使いやすかったのではないかと考えられます。

原材料の現地調達度は9割以上

生産する製品の原材料は、極力現地で調達しており、特に材料についてはその比率が95%以上となっています。現地生産を開始したのは20年前ですが、当時は、品質確保のため、原材料はすべて日本から輸入していました。その後、日本と同じ品質を中国の工場で作ろうと、徐々に現地で手に入るものに置き換えてきました。中国産の原材料は、品質の保証試験を行い、安定性を確認しています。これにより、日本とまったく同じ良質の原材料を使用して作ることができるようになりました。

日本人の心を教える

資生堂は、現地採用の中国人社員の人材育成・コミュニケーションに力を入れています。研究者については、主に現地の理工系大学出身者を採用しています。資生堂の企業文化を理解し、美容やおしゃれにも興味がある技術系の方がふさわしいと思っています。中には日本の大学を卒業した者や医師免許を持つ研究者もいます。日本に半年から1年間派遣する研修制度もあります。すると、研究の面で自然に日本のこまやかなやり方や考え方が身についてきます。そして、自ら後輩に指導できるまでに成長していきます。

徹底した現地化戦略

中国の化粧品市場は年間10%ずつ伸びています。中国の化粧人口は2020年には4億人になると見込んでいます。

今後の戦略として、中国で中国人が中国人のための化粧品を開発する研究所にしていきたいです。現在、研究所の研究員は30人余りです。研究所の規模も徐々に拡大していこうと考えています。 当社の中国と日本の化粧品では成分、品質上の違いはありません。ただ、香りや使い心地など、使う方の好みに関するところで、中国のものはより中国の方に好まれるよう調整しています。今後も中国に根をしっかりと張った会社になり、将来、全世界で中国の化粧品の品質が認められて、中国で作った化粧品が喜ばれるまでになることを望んでいます。

 

 

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