北京市有薫一心餐飲有限公司総経理 高山貴次

 

本場の日本料理を北京で提供したい

1995年、将来を考えていた頃、メディアで「これからは中国!」としきりに流れていました。それを見て、「中国語を身につけて何かをしよう」と心に決め、高校卒業後、北京に留学しました。

一旦は日本に帰国しましたが、東京で九州郷土料理店を営む祖父・父親の姿を見ていたこと、当時の中国では、まだ少なかった日本食に可能性を感じたことで、2001年24歳の時、日本料理を提供する会社を設立と同時に1店舗目をオープンしました。新鮮な魚介類を中心に、中国人の好みの日本食を提供し、日本流の丁寧な接客とサービスで特色を出そうと社員教育にも力を入れました。現在は北京に6店舗、150人ほどの中国人社員を抱えています。

社員と一緒に考え、努力する

社員が増えるにつれ、一つの悩みが生まれてきました。入社から大事に育ててきた社員が良い条件の仕事を見つけると簡単に転職してしまうのです。勤労意識の違いに大きな溝を感じるとともに、互いに意見の相違や微妙な壁にも気付きました。   そんなとき、私と社員の溝を埋める工夫と社員同士の団結力を強めるために、社員全員で行う催しを思いつき、イベントの開催を始めました。社員の誕生会を祝うこと、毎年5月に各店舗対抗の運動会を開催、旧正月前の忘年会では、大遊戯会として、各店舗ごと演劇や漫才、踊りを発表、夏には郊外へ遠足に出かけます。こうして、日本人の私と社員と連帯感を育てる機会をなるべく多く持つことにより、ちょっとした確執もなくなり、転職率も減少しました。

店の料理長が新メニューとして提案する中には、日本人の感覚ではありえない、正直ちょっとヘンな感じがする取り合わせのものもあります。しかし、こうしたときこそ社員と意見を交わすことが大切です。私が心を開いて話をすると社員も本音を言ってくれます。常に社員とともに考える姿勢を貫いています。

北京和橋会理事としても活動

今後は、中国に限らず元気なアジアで、何か飲食業以外でも事業をしていきたいと考えています。日本の技術やサービスは世界に誇れるものだと思うので、それを活かせる仕事ができることを望んでいます。また、同じ志を持つ人たちと共に活動していきたいです。

海外にいる日本人・起業をしている日本人などを中心に交流する輪を作ろうという発想で、香港から始まった和橋会の「北京和橋会」で理事を務めています。日本人会員同士が情報交換し、互いの事業発展に協力することも大事ですが、中国やアジアの企業との交流が不可欠です。

また、私は、北京和橋会に参加することによって、これから海外に出たい・北京で事業をしたい若者を応援し、育ていくことで、貢献できたらいいなと思っています。

 

 

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