アニメ世代のあこがれの地

観光客の前で軽やかに踊るドナルドダック ディズニーランドのパレードショー

ディズニーのアニメを見て育った中国の若者にとって、浦安市にある「東京ディズニーリゾート(ディズニーランドおよびディズニーシーなど関連施設がある地域一帯)」は幼いころ夢見た世界に浸ることができる大人気のスポットだ。香港にも2005年に「香港ディズニーランド・リゾート」がオープンしているが、わざわざ「東京」に来る理由はなにか。それは日本人スタッフの細やかな心配りや完璧なまでに清掃が行き届いた園内、アトラクションに秩序良く並ぶ日本人客の様子などに感動を覚えるからだという。

中国人観光客はここが千葉県だと知ると、「なぜディズニーは千葉を選んだのか」とはじめに少し驚き、そして、「千葉県に興味をそそられる」と言っている。

 

日本の家族と暮らした家

中国・四川省楽山市出身で、政治家でもあり大学者でもある郭沫若は、1914年に22歳で初来日。日本人女性と結婚し、九州帝国大学(現九州大学)医学部で学んだ。帰国して上海で働いていたが、不安定な国内情勢のため、1928年からの10年間、市川市真間・須和田で亡命生活を送った。うち1930年9月から1937年7月、中国に帰国するまで、家族7人で静かに暮らした最後の日本家屋を移築・復元したのがこの記念館だ。郭沫若はここに身を潜めた7年の間に、東京・神田神保町に通いながら、甲骨文字などの研究を深め、多くの著作を発表している。

インターネットやクチコミでここを訪れる中国人の留学生や観光客は年間千人にもなるという。館内のマップをもとに、郭沫若が足繁く通っていたそば屋や精肉店、理髪店や医院などを巡ってみると、いまだ彼の息づかいを感じられるかもしれない。

市川市は郭沫若の縁をもとに1981年に楽山市と友好都市締結を行っている。

咲き乱れた芝桜に囲まれた郭沫若記念館(写真提供・市川市文化国際部)

 

中国から日本へ文化伝来たどる

今から約7000年前に中国の長江下流域で始まった水田稲作は、約4000年間かけて日本列島に伝わる。写真は1世紀の日本に現れた稲の穂を摘んで収穫し、たくわえるための高床倉庫のモデル

「歴博(れきはく)」の愛称で知られている佐倉市の歴史民俗博物館。延べ床面積3万5000平方㍍の規模を有する国立の博物館だ。ここは千葉県内の留学生を中心に中国人がよく訪れるという。

館内には日本の生活史をテーマにした6つの常設展示室がある。中でも原始・古代・中世の展示室では、文化が中国から伝わってきたことを示す展示を多く見ることができる。例えば、長江で始まった水田稲作の伝播や、中国の三国時代の鏡と、日本の古墳から出土した三角縁神獣鏡との比較、漢字や印刷技術の伝来による日本文化への影響などだ。

パンフレットやガイドブックの中国語版が用意されており、中国語ガイドレシーバーの貸し出しも行われている。

研究活動面では今年1月に、中国社会科学院考古研究所と、教員や研究者の交流など学術研究交流の促進を目的とした協定を締結しており、今後さらに中国と関係を深めてゆく予定だという。

 

 

溥儀ご愛用の牌も
中国由来の展示品

千葉県東部海岸地帯の中央部に位置するいすみ市にある博物館。中日両国から麻雀ファンが訪れる。

麻雀雑誌により成功した出版社、竹書房の創始者である野口恭一郎氏が麻雀ファンに恩返しをしたいとの思いから、1999年、世界で初めて設立した。

その2年後、麻雀の発祥地とされる中国・寧波の「麻将起源地陳列館」が開館する際には全面的に協力し視察団を迎えたり、所蔵品約300点を寄贈したりした。

ラストエンペラーである溥儀が愛用した『皇帝御牌』の麻雀牌や2010年のNHK大河ドラマ『竜馬伝』でも使用された清朝末期の円卓麻雀卓をはじめ、3万点の文物のうち常時一万点を展示しており、そのほとんどが中国に由来している。

中国で行われる世界大会の日本代表選考に努めるなど、麻雀文化の研究、普及においても重要な発信基地となっている。

北京で作られた竹製の麻雀牌とケース(写真・単濤)

 

 

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