春節(旧正月)に民家内部や門口に飾られる年画は、中国民間芸術の1種で、農耕文明に根ざす楊柳青木版年画は中国文化の蓄積を反映し、また民俗生活を映す鏡でもある。毎年春節には、家々はみな年画を買い求め室内に貼り、慶事を表し、魔よけとし、幸福を祈る。大まかな統計によると、毎年の楊柳青木版年画の販売量は10万枚以上で、中国4大年画の1つに数えられており、楊柳青木版年画は政府の手助けと市場ニーズという二重の効果で、さらに繁栄に向かっている。
楊柳青木版年画は明末の崇禎年間(1628年~1644年)に始まり、現在まで300年余りの歴史を持つ。清代の光緒年間以前の時期が年画の最盛期で、当時は楊柳青鎮と付近の村では大部分の家が年画工房で働き、「家々がみな描くことができ、戸々に絵画に通じている」と呼ばれ、年画の産地として知られた。
1990年代以降、民間年画工房が楊柳青に新たに興り始めた。王文達、馮慶鉅や霍慶順、霍慶有兄弟は楊柳青木版年画の継承者と呼ばれた。霍兄弟の後、続々と50家近くの年画工房が登場し、60以上の年画販売店が登場、700人以上が年画の制作と販売に携わり、年間営業額は3000万元を突破している。
2004年、天津楊柳青木版年画は中国文化部から「中国民族民間文化保護プロジェクト試験項目」として承認され、年画の歴史をさかのぼり、整理・研究する作業がスタートした。
2006年、天津楊柳青木版年画は中国の「国指定無形文化遺産リスト」第1陣のうち、美術類トップに収録された。
初歩的に産業化が形成された楊柳青木版年画の影響力は日増しに高まっている。中国民間芸術として、これまでに日本、フランス、英国、イタリア、タイ、シンガポールなどで展覧されている。
楊柳青木版年画の制作方法は「半印半画」で、まず木版で線や模様を出し、墨で紙の上に描き、2、3度単色の刷りを行った後、再度絵筆を加えていくものだ。これにより、版画の彫刻刀の味わいと絵画の絵筆の色調の双方を持つ、一般の絵画とは違った芸術的特色を生み出している。
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