ボヤンテレゲルさんの所轄区域面積は1672平方キロもある。もともと５つあった牧畜ガチャ（嘎査＝モンゴル族の行政村）が合併してできたもので、全国最大の所轄区域と言える広さだ。

人民警察官として12年、彼は任務の第一線を堅守し、「４つの必ず訪問」を行うよう努力している。それは、所轄区域の組織や住民世帯は必ず訪問する、刑期を終え釈放されたあるいは労働矯正を解かれた人は必ず訪問する、人々の間でもめごとが起きた時は必ず訪問する、住民から助けを求めるメッセージを受けたら必ず訪問する、である。

彼は自分の担当する所轄区域を隈なく、あらゆる牧畜農家についての出来事や家庭の事情などみな知り尽くしている。所轄区域すべての家族構成をはっきり記憶しており、多くの牧畜民は彼を親しみを込めて「気心の知れた人」「歩く調査書」「警察配達員」などと呼んでいる。

1999年から、ボヤンテレゲルさんは自分の警務地図制作を開始した。彼の地図上では、一軒の牧畜農家を見つければ、図の示す方向に沿って別の牧畜農家を見つけることができる。それだけでなく、一軒の方位を見つければ、その家族構成も分かるようになっている。彼はまた実際の仕事状況に基づいて、所轄の状況調査書管理方法を考案した。常駐人口分布と距離を組み合わせ、それぞれのガチャの平面図を描き出しており、すべての平面図と家長控え帳の整理番号が対応していて、必要ならすぐに全面的に所轄区域の民衆の家庭状況を理解することができる。彼の考案したこの調査書管理方法は今ではバヤンノール市に採用され、市は全面的普及を図っている。

人民中国インターネット版　2012年