６年前、ツェリンロブさんは条件の良いナンカルツェの県城で働くチャンスを放棄して、自ら最も高地にある郷、普瑪江塘郷での勤務を申請したのだった。彼は新農村建設をよい機会だととらえ、遊牧民の定住化、貧困克服のための全村移転、農牧民の安定生活など一連の作業を同郷でスムーズに実施するよう全力を投入し、各方面で実現をめざし努力してきた。

現在では、同郷全体の221戸の牧畜民すべてが広くて明るい土と木で造られた新住宅で生活し、1000年以上続いてきたテントや草葺小屋暮らしに別れを告げている。一部牧畜民には家畜を売りたがらない傾向があったが、彼は郷や村の幹部を伴って、３年にわたって一戸一戸を訪ねて説得を行い、自ら県や地区に出向いて牛や羊肉の販路を開拓し、人々の平均収入を1000元前後高めた。2011年には郷の牧畜民平均収入は5000元を超え、人々の生活水準は大きく高まっている。

また、国境地帯の平穏を確保するため、彼は党員を組織し、30名の民兵、25名の国境パトロール隊、７つの治安保持チームの「国境党員自主共同防衛隊」を編成し、国境第一線のパトロールと監視・管理を強化した。彼はさらに、多くのルートで資金を調達して現地診療所の施設・設備改善を進め、人々の診療や薬品入手問題を解決したほか、党員幹部を組織して３万元の募金を集め生活苦の人々のために住宅建設・改修を行った。個人でも農牧民のために３万元余りを寄付している。

ツェリンロブさんは、2008年にナンカルツェ県最優秀公務員に選出され、10年にはナンカルツェ県優秀党活動従事者に選ばれた。

人民中国インターネット版　2012年