島の漁民の「我が家のお医者さん」

 

鐘杏菊さんは島に根ざして36年、数十年を1日のごとく、いつでも「農村の人たちに医療を施すことを願い、困難のあるところ私がいる」を自らの職業規則とし、満ち溢れる情熱で患者に尽くし、患者の問題や苦しみを取り除いている。誠意を尽くして1人の第一線の医療従事者としての神聖な職責を果たして、人々の幅広い賞賛を得ており、島の漁民たちからは「我が家のお医者さん」と呼ばれている。

彼女は2006年以来、農村コミュニティーでの仕事をより良く、確実に行ってきた。風の中を訪れ、雨の中を去っていく彼女は、家ごとにファイルを制作しており、制作のために訪れた回数は多い家庭では5、6回になる。戸籍が島にあり県城に住む家庭には、彼女はわざわざファイルのために県城に出かけて行った。ほかの地区に住んでいる人については、彼女は春節期間を利用してファイルを補った。丸々5カ月、ついに島の258戸657名の住民に関する健康カルテが完成した。

鐘杏菊さんは島の漁村の最も末端の、最も普通の医療従事者だ。しかし、普通の医師としても院長としても、最も島の人々を気にかけているのが彼女だ。島のほかの社会サービス機関がすべて撤去された後も、ただ1人彼女だけは持ち場を守り続けてきた。鐘杏菊さんの働いてきた場所では、彼女の名前を出しさえすれば、地元の人々はみな次のような話を聞かせてくれるはずだ。「鐘杏菊さんは私たち漁民にとって“我が家のお医者さん”です。薬箱を下げて、小船で風の中をやって来て浪の中を去っていくのです。私たちのために診察し施薬し、病気を取り除いてくれる、本当に肉親よりもっと親しい存在です!」

鐘杏菊さんは、2008年に全国医療部門先進工作者に選ばれ、10年には浙江省を感動させた医療人物10人に選ばれた。11年には3月8日の国際婦人デーに優秀な労働女性に与えられる栄誉称号の全国三八紅旗手に選ばれ、浙江省熱心に仕事に打ち込む模範、浙江省「十大銭塘江先鋒」と浙江省優秀共産党員に選ばれた。

 

【プロフィール】鐘杏菊 女性、浙江省嵊泗県嵊山鎮センター診療院壁下コミュニティーサービスステーション医師、1954年2月生まれ、80年4月入党、中等専業学校卒業(日本の職業高校に相当)。

 

人民中国インターネット版 2012年

 

 

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