「十八大」 中国の発展方向に世界が注目

 

「美しい中国」 生態文明社会の建設に期待

十八大の開催前日、中国の政策を観察するスペインの関連サイトは、中国が直面している数多くの課題のうち、特に環境問題について強調した。「環境保護の要求が日増しに高まっている。これが実現されなければ、長期間内に深刻な環境破壊が生じ、国家の安定に対して負の影響をもたらすだろう」。

米国の建築家は米国の外交雑誌『Foreign Policy』(9・10月号)の中で、中国の都市建設について、「中国の選択は、中国の都市の長期的な存続能力・居住性・エネルギー効率のみならず、地球全体の健康に対して直接的な影響をもたらす」と指摘した。

中国の環境問題は、世界から注目されている。

十八大の報告は、環境問題について「『美しい中国』の建設を努力し、中華民族の永続的な発展を実現する」という、詩的な答案を提出した。

十八大の報告は初めて生態文明の建設を、中国の特色ある社会主義事業の「五位一体」全体計画に盛り込んだ。同時に国土空間の開発構造の改善、生態製品の生産能力の強化、生態文明制度の制定の推進といった新たな記述は、中国の環境・生態問題に対する高い重視と深い理解を示した。

中国の2001-2008年のGDP成長率は年間平均で10.20%に達したが、エネルギー消費の増加率、エネルギー弾性値は第9次五カ年計画期間(1996-2000年)の1.10%・0.127から、9.40%・0.922に急上昇し、石油の対外依存度は50%を上回った。一時期、「地球資源は中国の発展を支えられない」等の話題が、世界で取りざたされた。

環境問題と世界の疑問に対し、中国は問題を回避せず、正視し、挑戦を続けている。

中国は近年、省エネ・ 排ガス削減を推進、循環型経済を提唱し、資源節約に励むとともに、森林生態系や湿地生態系、砂漠生態系の構築や生物の多様性保護を強化、退耕還林(耕作を中止し耕地を林に戻す)や天然林の保護を全面的に実施し、今ではクリーンエネルギーへの投資が世界最大の国となった。過去10年で人工林の面積は世界一の6168万ヘクタールに達し、グリーンGDPの業績審査を重視する政府関係者が増えている。

世界が今、中国の生態保護への多大な努力に注目している。英紙デイリー・テレグラフは10月下旬、「臨汾:中国のチェルノブイリはどのように危機から脱したのか」と題する記事を掲載、汚染のひどかった臨汾が青空を取り戻した例を挙げ、中国の生態文明建設方面における進展を解読している。

アメリカ外交学会のエリザベス・エコノミー氏は「近年中国政府は、環境と住民の健康の関係に気づき、環境投資がGDPに占める割合をどんどん拡大している。中国人は自分と子孫のためにより良い生存環境を作り出している」と指摘する。

生態文明の未来は中国にある――米国の思想家で生態経済学者のヨハン・コルブ氏はこうした判断を下す。「グリーンGDP」の初期の提唱者の一人である彼は、中国が西側の誤った発展方式を繰り返すことなく、正しい発展の道を歩めば、社会の調和と人々の幸福を必ず実現し、世界の生態文明に貢献することができるとの見方を示す。

 

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