中国の将来的な発展の課題 ネットユーザーが「汚職」と回答

 

この10年間で、中国経済は安定的な高度成長を実現し、国民の生活水準が向上した。過去10年は、科学の発展および輝かしい成果の10年であり、また課題に対応し解決した10年でもあった。中国の発展は今後、主にどのような課題に直面するだろうか。新華網が伝えた。

新華網が雑誌出版社「半月談」と共同開設するコラム「毎日調査」はこのほど、「中国の将来的な発展の主な課題は何か」をテーマとするアンケート調査を実施した。13日11時現在、ネットユーザーからの得票率は以下の通りとなった。「汚職問題」(70.5%)、「発展の不均衡、所得格差」(62.8%)、「社会保障システムの不備」(53.9%)、「進学難、不動産価格の高騰、食品安全等の国民生活に関わる問題」(44.1%)、「生態環境の悪化」(41.7%)、「複雑かつ変化の激しい国際情勢」(35.2%)、「人材不足、国民の低素養」(24.8%)、「世界経済の低迷」(17.1%)

あるネットユーザーは、新華網の掲示板「発展フォーラム」に、「汚職は国家および人々の財産を直接損ねるだけでなく、規則や制度を踏みにじる行為であり、公平・正義を損ねている。これは社会の秩序ある運営を損ね、中国の将来的な発展を制約する。そのため断固として汚職に反対する必要がある。国民全体で荷車を引き前進しているとするならば、汚職は力を加える方向に悪影響を与え、力を出そうとする人々の積極性を損ねる」と書き込んだ。

十六大(第16回中国共産党代表大会)より、各省・部クラスの高官が厳しい調査を受け、党の反汚職に対する毅然たる決意、党の自己浄化能力が示された。しかしこれらの汚職事件が国民の心に残したマイナス影響は、完全に解消されていない。中国政法大学法治政府研究院の王青斌副教授は、汚職は少なくとも次の三つの問題を引き起こすとした。(1)政府の信頼度、執行力の低下。汚職問題は政策および法律の執行を著しく妨げ、経済・社会の発展に影響する。(2)社会の投資環境の悪化。(3)社会の公平性への影響、社会の矛盾の激化。王副教授は、「汚職は大きな危険性をはらんでいるため、将来の発展の主な課題となる」と語った。

胡錦濤国家主席は十八大の報告の中で、「この問題が解決されなければ、党にとって致命的な傷となり、党と国を滅ぼすことになる」と指摘し、党全体に対して、毅然たる態度で汚職に反対し、清廉・公正な共産党員の本来の姿を堅持するべきだと強調した。

多くのネットユーザーは、反汚職に期待寄せた。あるネットユーザーは、「汚職に反対し清廉を提唱する道は苦難に満ちているが、党と国民の決意が揺らぐことはない。各法律・制度の徹底、制度による人・権力・物事の管理により、汚職の道が人々から唾棄される道になることを期待する」と語った。

王副教授は、「まずはサービス型の政府を建設し、国民の需要を指針とし、効果的な制度により汚職問題・国民生活問題を解決するべきだ」と提案した。

調査結果を見ると、中国の今後の発展について、国民自らの発展に関する一部の問題も注目を集めた。ネットユーザーの62.8%は「発展の不均衡、所得格差」を、53.95%は「社会保障システムの不備」を、中国の今後の発展が直面する主な課題としている。

国家行政学院社会・文化教研部の講師の胡穎廉氏は新華網の取材に応じ、「中国は現在、ケーキを大きくする段階から、ケーキを上手に分配する段階に向かい邁進している。国民の需要は『生存のための需要』から『発展のための需要』に転換しており、公平・グリーン・安全等の要素に対する注目度が高まっている。これらの問題が解決されなければ、国家のハイレベルな発展が妨害されるだろう。国民の需要に関する課題を解決することで、国民全体の力を引き出すことができる」と語った。

 

「人民網日本語版」2012年11月14日

 

 

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