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貴州の屯堡文化遺産保護・利用について初の専門家サミット

 

文・写真=魯忠民

2012中国・貴州・安順第1回屯堡サミット及び保護・利用シンポジウムの会場

2012年11月、貴州省安順市で「中国貴州・安順第1回屯堡サミット」が開かれ、中国明史学会と国内の大学で屯堡文化について研究する教授や研究者、屯堡文化保護に力を尽くす各界の有識者など100名近くが参加し研究討論を行った。

明の太祖・朱元璋は、中国西南部制圧のため多数の漢族を駐屯、移転移民、仕事、商売、流刑などさまざまな形で貴州安順一帯に送り込み、現地の人々と共同でこの土地の開拓・開発にあたらせた。先進的農業技術は古くからの立ち遅れた焼き畑農業を転換させ、中原文化、江南文化がここに根付いた。600年の時を経て、守り継がれたものとこの土地での変化・発展したものが共存する、明・清の特徴を色濃く残す独特の文化が形成された。

中国明史学会会長の商伝中国社会科学院歴史研究所研究員は、「屯堡遺跡は貴重な歴史遺跡で、古来のものをそのまま残す歴史文化の伝承だ」と述べている。至る所にある屯堡は、明代の中国西南地域の政治、経済、文化、社会など各分野の歴史研究に非常に貴重な資料だ。

中国明史学会副会長の毛佩琦中国人民大学歴史学部教授・博士課程指導教官は、「過度な都市化のスピード、急速に発展する観光業により、すでに屯堡の特殊なコードは日ごとに減少している。観光のために提供される、より強められたいわゆる屯堡コードは、観光客の好みにより迎合し、国内外の美意識が入り混じって、ますます本来の姿からかけ離れている。文化遺産保護の中で、有形無形の文化遺産を、普通の人々の生活の中で生かす必要がある」と指摘する。

中国共産党安順市委員会の宮喜祥副書記は、全国から集まった専門家が屯堡の文化保護とその利用について行った建言献策に感謝し、「保護と利用」の問題は歴史文化古跡の発展過程で長期的に存在する矛盾で、いかに両者のバランスを保ち、屯堡の永続的な保護を効果的に行うとともに、合理的利用によってその発展を図れるかは、中国共産党安順市委員会、市政府の責任と義務であると率直に述べた。

意見を述べる商伝中国明史学会会長 サミットの開会を宣言する宮喜祥中国共産党安順市委員会副書記

 

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