世界に目を向ける栽培農家

 

また豊作の年を迎えた栽培農家の梁厚兵さん

現在、中方県のトゲブドウ栽培面積は4.15万ムーに達しており、中国南方のトゲブドウ栽培面積の三分の一に達している。ブドウの年間生産量は8万2000㌧で、生産額は3億8000万元を突破し、栽培農家の直接的な収入増加分だけでも一億元近い。桐木鎮の90%以上の農家がブドウ栽培を行っており、ブドウによる収入が全鎮の経済収入のおもな源となっており、広くその名が知られる「中国南方の葡萄溝」となっている。

家の庭での小規模栽培から広大な面積による大規模栽培まで、そして伝統的な栽培方法から標準化された念入りな栽培まで、また、自家で生産し自家で販売する自己完結型経済から集約的な基地による経営まで。特に専門の協同組合の設立、統一ブランドの設置、品質の均一化、一元的な販売形式などにより、ブドウの品質を保証し、農民の生産・販売の悩みを解決した。 

ふるさとの「湘珍珠」が有名になると、外に出稼ぎに出ていた農村の若者たちも、ふるさとに大いなる希望を見い出し、都市での仕事を捨て戻ってきた。村民の一人、高金平さんも以前は深圳に出稼ぎに出ていたが、ブドウ産業の将来性があることを知ると、新圳での仕事を捨て、ふるさとに戻り、トゲブドウ栽培に全力を傾け始めた。今では彼が父と共に始めた「高家荘ブドウ園」は名をあげ、毎年20万元以上の収入を得ている。

小さい頃から「百年老藤」の下で育ってきた村民、梁厚兵さん(50)は、ブドウが生活に変化をもたらしてくれたと語り、その顔の上には隠そうとしても隠しきれない満足と喜びが浮かんでいた。彼はかつてイネを育てていたが、毎年苦労してもやっと食べていけるだけの収入しか得られなかった。ブドウ栽培にくら替えした後、生活は良くなった。後に政府が一連の支持政策をとって、彼らが豊かになる手助けをしてくれた。例えば、ブドウ棚をつくるためには1ムーあたり4000元が必要だが、政府が農家に1ムーあたり2000元の補助をくれ、さらに果実を運ぶためのアスファルト道路を建設してくれた。今では彼は兄弟数人と共にブドウ栽培をしているが、「湘珍珠」はいい価格で売れ、アグリツーリズムも人気で、彼の農場を訪ねてくる観光客もどんどん増えていて、暮らし向きは日に日に良くなっている。

しばしば農家を視察に訪れる潘存金副県長(右)と農業専門家

キンモクセイの香りがただよう季節、地元政府は農家の願いを聞き入れ、「中国・懐化(中方)第1回トゲブドウ祭り」を開催した。この期間中、中国トゲブドウ産業発展研究討論会、千人規模のブドウ狩り、ブドウ食い大会、自家製ワイン大会、蒲海山地一周サイクリング招待試合などの一連のイベントが行われた。彼らがさらに多くの国内外の観光客が葡萄溝を訪れ、ブドウを味わうだけでなく、景色や美酒を楽しみ、さらに地元の人々と多方面の交流を行うことを望んでいるのは、彼らが多元的な文化を知り、多くの人々と友だちになることを期待しているからである。自分たちの商品が山の向こう、世界へと旅立つだけでなく、自分たちの視野も山の向こう、世界へと向けていきたいと願っているのだ。

 

人民中国インターネット版 2013年10月

 

 

 
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