千年の歴史を持つ磁器口

 

画家の姚叙章さんは磁器口に画廊を開いている。彼の作品のテーマはこの千年の歴史を持つ古い街だ。山を背に高脚楼と呼ばれる高床式の建物が立ち並び、商人たちがふ頭を忙しく行き来するという、彼の絵に描かれる歴史的風情は、実は今日でも磁器口でも感じることができる。

磁器口はもともと白岩場と呼ばれていた。北宋の真宗(998~1003)の時代に、ここにあった白岩寺から名付けられた。明代以後、この地では磁器製造が主要な産業となっていった。そして1918年、磁器商や名士らが資金を出して新たに工芸品を制作する「蜀瓷廠」を創建した。これによって生産量、品質とも向上し、製品は各地に販売されるようになったた。磁器製造が最も盛んな時にはここに70軒以上の業者が集中し、町の通りには各地から船でやって来た磁器商が忙しく走り回っていた。それらの商人たちが次第にこの地を「瓷器口」と呼ぶようになり、後に「瓷」の字が「磁」に置き換えられ今日に至っている。

歴史ある街並みが残る磁器口には大小12の通りがあり、道沿いに明代、清代の建築が残る。石畳の通りの両側には、各種店舗が連なる。現在、磁器口の街並みはよく保護、整備されており、清代の塀で囲われた住宅には茶を入れ、涼を取り、あるいはふ頭付近で重慶の庶民派料理「江湖菜」の代表「毛血旺」(アヒルの血を固めたものを煮込んだ激辛料理)を味わうのも、貴重な体験となるはずだ。

 

人民中国インターネット版 2013年

 
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