トゥチャ族の暮らしを体験

 

 

ここ石柱トゥチャ族自治県の住民の半数以上が少数民族トゥチャ(土家)族の人たちだ。トゥチャ族の人たちは群居を好み、木造の高脚楼(高床式の住宅)に住む。住宅は村落を形成して建てられ、単独の家はほとんどない。建物の多くは木造で、一般に小さな庭を持つ。庭には垣根があり、庭の裏には竹林がある。家族は太陽とともに起きて働き、日が暮れれば帰って休む田園生活を営んでいる。

こうした土家族の暮らしを体験してみたいなら、森泉山荘を訪れてみるのがいい。ここは広々とした森に囲まれ、泉水が豊富に湧き出すため、森泉と名付けられた。山荘の建築は土家族の典型的な転角吊角楼(傾斜地や水辺に建てられる、後方は地面に接地するが前方は高床式のように柱で支える構造の建物)だ。トゥチャ族の住居に泊まり、トゥチャ料理を食べ、夕暮れ時にはかがり火を囲んで歌い踊り、民族伝統の暮らしを味わう。

トゥチャ族の家に招かれたなら、あぶった鶏を食べ、甜酒を飲まなければならない。柴で焼いたニワトリの丸焼きは、肉が柔らかくジューシーで、香ばしい。甜酒はアルコール度数は日本酒に近く、口当たりは甘く柔らかいが、十分なアルコールが入っていることを忘れてしまいそうだ。このため、初めてトゥチャ族の村を訪れた人は、美食と美酒に酔いしれ、時に酩酊してしまう人もいる。少なからずいる。

トゥチャ族には強い蒸留酒もあり、飲み方もなかなか豪快だ。トウモロコシを原料に50度以上のアルコール度数を持つ酒だが、飲み口はさっぱりしていてそれほど強いとは感じない。独特のくん製肉をつまみにこのトウモロコシ酒を飲めば、山の美味を存分に味わっている気分になれる。この酒は焼き物のお碗に入れられるが、この日本のご飯茶碗ほどの大きさのお碗に注がれた酒は、乾杯して一気に飲み干さなくてはならず、飲み終わるとお碗を地面にたたきつけて割ってしまう。一気に飲んでは割るを繰り返す豪快な飲み方で、主人は客を一家の人間として情熱的にもてなしているのだ。

 

人民中国インターネット版 2013年

 

 
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