中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)で審議・採択された「改革の全面的深化における若干の重大な問題に関する中共中央の決定」(「決定」)の全文が15日、発表された。「決定」の要旨は以下の通り。
改革の全面的進化に関する中国共産党第18回全国代表大会(十八大)の戦略方針を貫徹し、着実に実施すべく、中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)は改革の全面的深化における若干の重大問題について検討し、以下の決定を下した。
一、改革の全面的深化の重大な意義と指導思想
(1)改革開放は、党が新たな時代の下で全国各民族の国民を率いて行った新しく偉大な革命であり、現代中国の最も際立つ特色である。
(2)改革の全面的深化にあたっては、中国の特色ある社会主義という偉大な旗幟を高く掲げ、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、トウ小平理論、「三つの代表」という重要思想、科学的発展観を指導の柱としなければならない。
(3)改革の全面的深化にあたっては、中国が長期的に社会主義の初期段階にあるという最大の現実に立脚し、発展は依然として中国のあらゆる問題を解決するための要であるという重大な戦略的判断を堅持し、経済建設を中心とし、経済体制改革の牽引の役割を発揮させ、生産関係と生産力、上部構造と経済的土台との相互適応を推進し、経済社会の持続的で健全な発展を推進しなければならない。
(4)改革開放の実践の成功は、改革の全面的深化に重要な経験を与えるものであり、長期的に堅持すべきものである。
二、基本的な経済制度の堅持・改善 公有制を主体とし、さまざまな所有形態の経済が共同で発展するという基本的な経済制度は、中国の特色ある社会主義制度の重要な柱であり、社会主義市場経済体制の根幹でもある。
(5)財産権の保護制度を完備する。
(6)混合所有制経済を積極的に発展させる。
(7)国有企業の近代的企業制度の完備を推進する。
(8)非公有制経済の健全な発展を支援する。
三、近代的な市場体系の完備を加速 統一的・開放的で秩序ある競争の行われる市場体系を建設することは、 資源配置における決定的役割を市場に果たさせるための土台である。
(9)公平、開放的、透明な市場ルールを打ち立てる。
(10)市場が中心となった価格決定の仕組みを整備する。
(11)都市と農村の統一的な建設用地市場を構築する。
(12)金融市場体系を完備する
(13)科学技術体制改革を深化させる。
四、政府の職能転換を加速 科学的なマクロ調整と政府による効果的な統治は、社会主義市場経済体制の強みを発揮するための内在的な要求である。
(14)マクロ調整体系を整備する。
(15)政府の役割を全面的かつ正確に果たす。
(16)政府の組織構造を改善する。
五、財政・税務体制改革を深化 財政は国家統治の土台であり、重要な柱でもあり、科学的な財政・税務体制は、資源配置の最適化や市場の統一性の維持、社会的な公平の促進、国家の長期的安定の実現のための制度的保障である。
(17)予算管理制度を改善する。
(18)税収制度を改善する。
(19)権限と支出の責任とが相互に見合った制度を構築する。
六、都市と農村の発展の一体化に向けた体制・仕組みを整備 都市と農村との二元構造は、都市と農村の発展の一体化を制約する主な障害である。体制・メカニズムを整備し、工業が農業を促進し、都市が農村の発展を導き、工業と農業が互いに利益を与え合い、都市と農村とが一体となった新たな工業・農業・都市・農村の関係を形成し、広大な農民による近代化プロセスへの参加を実現し、近代化の成果をともに享受する必要がある。
(20)新型農業経営体系の構築を加速する。
(21)農民により多くの財産権を与える。
(22)都市と農村における生産要素の平等な交換と公共資源の均衡配置を推進する。
(23)都市化の健全な発展のための体制・仕組みを整備する。
七、開放型経済の新体制を構築 経済のグローバル化という新たな情勢に適応するためには、内側と外側への開放の相互促進を推進し、海外からの導入と海外への進出をさらによく結合し、国内外の生産要素の秩序ある自由な流動と資源の効率的配置、市場の高度な融合を促進し、国際的な経済協力・競争に参加しこれを統率するための新たな優位の育成を加速し、開放によって改革を促す必要がある。
(24)投資条件を緩和する。国内資本と外資の法律法規を統一し、外資をめぐる政策の安定性・透明性・予見可能性を確保する。
(25)自由貿易区の建設を加速する。
(26)内陸部や辺境地区の開放を拡大する。
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