改革で困難に立ち向かう

張雪=文

昨年3月、第12期全国人民代表大会(全人代)第1回会議が開催され、選挙によって習近平国家主席、李克強国務院総理を選出した。ここに、新たな政府が歴史のバトンを引き継ぎ、中国の新たな道のりがスタートした。過去1年を振り返ると、改革が中国の発展をけん引するキーワードとなり、一連の改革関連措置が打ち出され、巨大な改革の青写真がゆっくりと広げられてきた。

カギは簡素化と権限委譲 

新しい政府は成立間もなく「政府と市場」の問題に直面し、行政機構の簡素化と権限委譲を行い、お互いの境界をはっきりさせ、「政府万能」のイメージの根本的転換を政府改革の方向とした。サービス型政府の建設を目標に、国務院(政府)機構改革が真っ先に明らかにされた。

 昨年3月、全人代第1回会議で「国務院機構改革法案」が審議・通過したが、法案によると、国務院正部級(日本の省に相当)機関は4つ削減され、そのうち構成部門は2減だった。副部級機関は相殺され数は変わらない。改革後、国務院弁公庁を除く国務院の構成部門は25となった。

 法案は投資審査承認事項の削減と権限委譲をはっきり規定している。国家の安全、公共の安全などにかかわる重要項目以外は、投資者、政策決定者、利益者がそれぞれみなリスクを負うという原則に照らし、最大限に審査、承認、登録の範囲を縮小し、企業と個人投資の自主権を着実に実施に移す。政府投資認可項目リストの改訂をしっかり行う。審査、認可、登録の必要な項目について、プロセスを簡素化し、規定の時間内に着実に実施するとしている。

 3月14日、この法案が通過した当日の午後、中国鉄道総公司が正式に発足した。新たに成立した中国鉄道総公司はこれまでの鉄道部の企業の職能を引き継ぐもので、政府と企業の職能分離が実現された。

 ある鉄道関係者は次のように話している。「鉄道部門は政・企の職能分離後、より深く市場経済の法則を研究できるようになり、さらに市場にフィットするようになるでしょう。ただし、改革初期の陣痛は免れず、中長期的には中国の鉄道の発展にプラスになるはずです」

 李総理ははっきりと政府の役割を示している。「かかわるべきでないミクロの事項は市場や社会に任せ、強めなければならないマクロ管理を着実に行い、事前審査の権限を多く委譲し、中間・事後の監督や責任追及をしっかり行うべきです。これは民間投資を促進し、就業を拡大し、企業の競争力を高め、経済・社会の活力などを刺激する良薬となるはずです」

 昨年、国務院は2度にわたって常務会議を招集し、行政機構簡素化と権限委譲について重点的に討論を行った。6月19日、李総理の主宰で招集された国務院常務会議の席上、さらに32項目の行政審査承認などの事項についての取り消しあるいは権限委譲が決定された。これは新政府成立後3度目の審査承認項目削減で、これ以前に取り消しあるいは権限委譲となったものは133項目あった。

 

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