民衆に「物差し」を示す

段非平=文

2012年12月4日、発足1カ月足らずの中国共産党新指導部は、「作風の刷新、民衆との密接な連携に関する政治局8項規定(8項規定)」を審議・可決した。就任後、初めて取り組んだ政策が作風刷新だったことは、新指導部の作風刷新に対する決意を遺憾なく示している。

その後、6項禁止令、「党・政府機関の倹約励行、浪費反対に関する条例」などの政策を相次いで打ち出し、「制度のオリ」をますます頑丈にし、公職者に行為の「レッドライン」を明示しただけでなく、メディアや民衆に監督の「物差し」を提供した。

その後1年余、中央、地方の党・政府部門が実際の行動を通じて「民衆のために、実務にいそしみ、廉潔でなければならない」という理念をはっきりと国民の前に示した。

国民の本音に耳を傾ける

同月末、国が貧困県に指定している河北省阜平県の気温はマイナス十数度に下がっていたが、同県駱駝湾村の村民・唐栄斌氏の自宅に特別な客が現れた。習近平総書記(翌年3月には国家主席も兼務)だった。習総書記は農民といっしょに湯気が立って熱々のジャガイモを頬張りながら、世間話に加わり、今直面している困難に耳を傾けた。習総書記は、このように、「しばしば貧困地域を訪ね、しばしば貧困家庭に入り、しばしば貧民の訴えに耳を傾ける」ことこそ、実情を知り、問題を発見し、問題を解決する道だと考えている。

この間、中央指導者の末端視察は「集中的」と形容しても過言ではないほどで、彼らは頻繁に民衆の前に姿を現した。大学卒業生たちと就職活動について語り合い、農民工に生活状況を尋ね、民営中小企業の経営者らと経営問題を話し合い、辺ぴな貧村、山村を訪れ、民情を視察……中央指導者らは「末端視察」によって、民衆の生活実態を把握し、民衆と膝を交えた交流によって、中国社会が直面している課題を解決する対策を考え、探求している。

「中国の真の発展状況を明確に探り出してこそ、将来の構想や発展方針を打ち出すために、正確で科学的な判断を下すことができる。新指導部は就任以来の広範な末端調査・研究によって、中国の末端、最下層の状況を理解し、参考にしている」と、中国共産党中央党校の張希賢教授は評価している。

中央指導者が実践で示している手本を参考に、各級地方幹部らも「住民のための政治」という理念を積極的に履行しようと、これまで以上にコミュニティー、農村、企業、学校などを訪ね、民生優先、民意順応に努めている。幹部と民衆との間にあったわだかまりは解けつつあるようだ。

 

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