土地改革で農民の利益を確保

張春侠=文 馮進=写真

 35年前、安徽省鳳陽県小崗村で誕生した農業の「全面請負制」を皮切りに、中国の農村改革の序幕が切って落とされた。これによって中国の農業は大いに発展し、農民は次第に貧困を脱して、衣食問題が解決された。しかし、長く続いた都市と農村の土地の二元制によって、都市と農村の格差がますます広がり、中国の経済発展の足かせとなった。昨年以降、「土地の二元構造による制約を打破し、農村の土地改革を推進する」ことを中心に据えた新たな土地改革が、最も注目される話題となった。

土地転貸で農村の活性化を

 「私は農民ですが、工場労働者でもあります」。安徽省鳳陽県の劉府鎮趙荘村の趙怡学さんは、現在は自分の土地で農業は行っていないが、以前より収入は増えた。「数年前、土地をエコ農業を行う金星実業という会社のオーナー趙世来さんに転貸し、自分は工場労働者になりました。1ムー(約667平方㍍)あたり毎年400元の転貸料のほかに、工場から毎月千元以上の賃金を受け取っています」。現在、安徽省では、趙さんのような農民は少なくない。多くの農民が、集中管理を行う大規模な栽培農家または現代農業の企業家に自分の土地を転貸し、自分自身は企業に就職したり、出稼ぎまたは商売をしたりするようになっている。これまで作物の栽培しか許可されていなかった土地だが、今では農民により多くの利益をもたらすようになった。

 1978年から実施され始めた家庭生産請負責任制によって、農業の生産性が大いに高められ、農業発展が活性化した。しかし現在、その生産モデルも情勢の発展にはるかに遅れをとっている。農民は土地の使用権は持っているが、それを自由に売却・賃貸、抵当にすることはできない。そのために、農村部の発展は都市部の発展にはるかに立ち遅れた。

 2004年、広東省、浙江省、上海市、安徽省、天津市などで農村建設用地の使用権の転貸が試験的に行われ始めた。また、重慶市では農地の現物出資、広東省と海南省では農地の賃貸、浙江省では農村の財産権取引などのモデルが誕生した。

 昨年、農村の土地制度改革がいまだかつてない注目を浴びることとなった。党中央が発布した1号文書(中央1号文書)で、農業の専門経営者、家庭農場、農民協同組合に対する土地請負経営権(使用権)の転貸を奨励・支持するという方針が打ち出され、「家庭農場」の概念が初めて言及されたのである。その後、中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)で、農村の土地請負を長期的・安定的に維持し、農民に請負地の占有、使用、収益、転貸および請負経営権の抵当・担保権を与え、農民の請負経営権による株式取得を認めて、農業産業化経営を発展させる方針が明確に打ち出された。

 政策によるインセンティブのもと、「テスト地点での先行試験」原則によって、農民の利益と密接に関わる「新土地改革」が全国のいくつかの地域で盛んに展開された。安徽省、浙江省などでは、農村の集団経営用建設用地の転貸についての制限を撤廃するなど、農村の土地の市場化を進めるための政策が矢継ぎ早に打ち出された。農業部(省)の統計によると、昨年11月末までに、農民の請負地の中で、経営権が転貸された面積の割合は約26%に、請負地が50ムー以上の大規模農家が全国で287万戸に、家庭農場の平均面積が約200ムーに達した。

 今年1月19日、党中央は「農村改革の全面的深化・農業現代化推進の加速に関する若干の意見」を発表した。これは2004年以降11年連続で「三農(農村、農業、農民)」に焦点を当てた中央1号文書となり、そのうち、最大の注目点は土地転貸を基礎とした農村土地制度改革である。

 

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