土地改革で農民の利益を確保

 

 

都市と農村で同一の土地市場を

 昨年12月20日午後3時、深圳市で最初に市場化された農村の集団所有地が同市の土地・不動産取引センターで競売にかけられ、同市の方格精密器件有限公司が1億1600万元でこの使用権を獲得した。深圳市初の農村の土地市場化は、農村の集団所有の建設用地も国有地と同じように市場化され、同一権利と同一価格を実現する重要な試みとなった。これは第18期3中全会が「都市部・農村部の統一的な建設用地市場を構築する」ことを打ち出した後に、深圳市が土地制度の革新という面で新たな局面を切り開いた壮挙だと言える。

 実際には十数年前から、広東省、浙江省の一部の地域ですでに地方の集団所有の土地市場化法規が制定され始め、多くのテスト地域で試験的に行われていたが、さまざまな厳しい規制により、農民の請負地、宅地、住宅は資本として流動化することができず、財産的な収益をもたらすことは難しかった。一方、農村の建設用地取引には闇取引がはびこり、土地の違法利用は禁止されていても後を絶たず、土地の転貸は信用保障に欠けていた。

 2008年に開かれた第17期3中全会で集団所有地の市場化が言及されたが、複雑な状況のために、試行の段階で止まっていた。昨年11月12日、第18期3中全会は「改革の全面的深化における若干の重要な問題に関する中共中央の決定」(以下「決定」と略)を審議・採択し、都市部・農村部の統一的な建設用地市場を構築することを打ち出し、農村の土地制度改革を深化させる方向性を明確にした。今年の中央1号文書では、計画と用途管理に合致するという前提のもとで、農村における集団経営用建設用地の譲渡・賃貸・現物出資を認め、国有地と同じように市場化し、同一の権利と価格を持たせ、農村の集団経営用建設用地の財産権転貸と付加価値の収益配分制度の確立を加速することが強調された。

 補償については、1号文書では、農民から徴収された集団所有地に対する補償として、農民の住宅や社会保険、就職訓練などの面である程度の保障を与える一方で、その土地の状況に応じて別の住宅を提供したり、補償を与えたりするなど、さまざまな手段で農民の長期的な利益を確保する方針を打ち出している。1号文書が農村の土地市場改革をさらに推進し、農村の経済発展を新たに方向付けることになるだろうことは、容易に見て取れる。

 

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