「一人っ子」緩和で人口構造調整

高原=文 馮進=写真

 1982年に「一人っ子政策」が中国の基本的な国策とされ、この政策は当時の国情に合致して、人口のコントロール、資源・環境へのプレッシャーの緩和、経済発展の持続において重要な作用を発揮してきた。しかし時が経つにつれ、中国の人口構造に変化が起こり、出生数は長期的に低レベルの右肩下がりで推移し、生産年齢人口が減少し、家庭規模も縮小して、人口高齢化の趨勢が日を追って顕著になってきた。このため、1990年代末から、20余りの省・市で、夫婦双方が一人っ子だった場合、2人目の子どもを認める「双独両孩(あるいは双独2胎)」政策が行われてきた。昨年の第18期3中全会の決議で、夫婦の一方が一人っ子であれば、2人目の子どもを認める「単独両孩(あるいは単独2胎)」政策が発表され、各省・市は相次いで関連政策を打ち出している。

子どもに兄弟姉妹を

 国有企業に勤める于雪娟さんと夫の間には4歳になる愛娘がいる。第18期3中全会の決議の中に、「片親が一人っ子の夫婦でも2人目の子どもが認められる政策が開始」という内容が含まれていることを聞き、彼らは2人目の子どもをつくるという選択肢を真剣に検討し始めた。于さんは一人っ子だが、夫には姉がいたため、以前は2人目を生める条件に符合せず、2人目の子どものことは考えたことがなかった。今回の政策で2人目を持てるようになり、彼女はもう1人子どもが欲しいと考え始めている。女の子がもう1人いたら、子ども2人で仲良く遊び、寂しくないだろうと思ったのだ。

 于さんは小さい頃から、いとこが6人いる大家族の中で育ってきた。普段から各家庭との行き来が頻繁で、非常に密接な関係の中で育ってきたため、彼女はそういった大家族の温かな感じが好きだった。「今、いとこたちもみな子どもを持っていて、その子どもたち3人はしょっちゅう一緒に遊んでいますが、やはり実の兄弟姉妹が居ればそれに越したことはないと思うのです」

 

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