易綱委員:人民元相場の双方向変動が常態化へ

 

最近の人民元安傾向について、全国政治協商会議委員である中国人民銀行(中央銀行)副総裁の易綱氏は3日、「人民元相場の双方向の変動は総体的にはまったく正常だ。今後、人民元為替レート形成メカニズムのさらなる改善に伴い、双方向の変動が常態化するだろう」と述べた。

同氏はまた、「中国の為替レートの変動幅はこれまでわりと小さく、1%の幅も非常に大きいとされてきたが、ポンドやドル、円など先進国の準備通貨の為替レートの変動率はいずれも大きく、中国をはるかに上回る」と指摘。さらに、「中国の為替相場制度は需要と供給をベースとする管理変動相場制を実施している。最近の相場の変動を深読みする必要はない。中国の経済ファンダメンタルズは良好で、各方面は基本的にバランスよく発展している。今後、為替市場の双方向の変動は当たり前のことになる」との認識を示した。

今後の見通しについては、「人民元改革は市場化の方向への発展を継続し、市場の需給をベースに管理変動相場制を堅持し、外国為替管理と人民元資本項目の両替自由化を安定的に進めていく」と説明した。

ただ、人民元相場の変動に対する外部の見方は中国人民銀行とは異なる。全国政治協商会議委員・中国社会科学院学部委員の余永定氏は同日の「上海証券報」の取材に、「人民元の変動幅拡大に対して、学術界では2つの可能性が指摘されている。一つは、中央銀行が関与し、サヤ取りを罰する措置による結果である。つまり、サヤ取りは人民元の切り上げ予想に基づくもので、人民元建て資産の購入をあおり、ホットマネーの流入につながっており、中国の金融の安定に影響を与えているため、中央銀行は人民元安を故意に誘導したということである。もう一つは、現在海外では中国衰退を唱える声が大きいことに呼応し、資金流出が拡大したことを反映したものである」との見方を示した。

ただ、「中央銀行はすでに目的を果たしたため、現在のような傾向は長く続かないだろう」ともいう。

中央銀行による為替相場への関与について、華夏銀行の黄金老副総裁は「中央銀行が元相場に関与するのは非常に正常なことで、不当な操作行為と簡単に理解してはいけない」とし、「米連邦準備制度理事会(FRB) は為替相場への関与に対してはばかることなく直言してきた。中央銀行がそうするのも正しい選択だ」との認識を示した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年3月4日

 

 

 

 
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