李総理の政府活動報告 細やかな点から見る3つの特徴

 

西側諸国のメディアと輿論は長期に渡り、中国の政治体制改革が、一度できあがれば二度と変わらないと批判してきた。しかし中国人の政治民主化の模索は常に続けられてきた。簡略化された会期、実務的な会場、それから一般人の死傷に対する初の集団黙祷と、今年の両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)の多くの細やかな点は、中国の政治民主化の前進、新しい変化を求める新指導部の姿勢を示した。李克強総理は3月5日午前の政府活動報告の中で、改革を全面的に推進する新指導部の強い意志を示し、政府が自ら社会に公開した期末試験の答案、政府が社会に決意を示した保証書となった。

李総理の初の政府活動報告となったが、出席者は発言後、李総理の力強い言葉、豊富で誠意ある内容に深い印象を持ったはずだ。政府活動報告を細かく読み進めると、3つの非常に明らかな特徴を見出だせる。

一、詳細な改革の措置

報告全体は約1時間50分を要し、約1万6500字の中で「新」が86回、「改革」が77回、「発展」が117回、「強化」が48回用いられた。その内容は経済・金融・農村・都市化・文化・衛生・軍隊・教育・戸籍・国民生活の数十項目に及んだ。人々が関心を持つ話題が、活動報告の中に反映された。新指導部が高効率の運営を進め、向上心を持ち取り組んでいると言える。

二、改革の具体的な数値

過去15年間の政府活動報告と比べ、新指導部の活動報告で取り上げられたデータは最多となり、次年度の活動計画に詳細な目標が設定され、「今年はさらに」という表現が多く用いられた。例えば「今年はさらに鉄の2700万トン、セメントの4200万トン、フロートガラスの3500万TEUなどの時代遅れの生産能力を淘汰する」、「今年はさらに農村部の貧困人口を1000万人以上減らす」、「今年はさらに農村部の6000万人の飲料水安全問題を解決し、農村部の260万戸の老朽家屋を建て替え、農村部の20万キロの道路を改修する」、「今年はさらに200項目以上の行政審査事項を取り消すか、地方に権限を委ねる」などとされた。

すべての改革内容に明確な実現目標が設定されている。これらの目標は、中央政府が地方および各企業・事業部門に与えた任務であり、政府の自らに対する目標、「量化された公約」でもある。

三、感情のこもった改革の描写

活動報告を通読すると、「食卓上の汚染を防止し、舌の上の安全を着実に保障する」、「貧困に戦いを挑むように、汚染に戦いを挑まなければならない」といった気持ちを高ぶらせ心を動かす表現が少なくとも数十箇所にあることが分かる。出席者はそのほぼすべてに大きな拍手を送った。

これらの表現を新指導部の気持ちの表れとしてとらえるよりは、新指導部が改革に加わるよう全国民に呼びかけていると理解するべきだ。改革はままごとではなく、政府だけのことでもなく、すべての人の利益と密接に関わる変化である。改革はすべての人の力を集め、すべての人の改革の熱意を動員する必要がある。この角度から見ると、今回の政府活動報告は、国民全体を元気づける働きかけと言える。(筆者:王文 中国人民大学重陽金融研究院執行副院長)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月5日

 

 
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