中国経済情勢分析(2):中国の発展に潜在力はあるか

 

海外の投資銀行やメディアの一部では最近、中国経済の衰退を指摘する声が再び上がっている。この中国経済衰退論をいかに考えるべきか。現在の中国経済はどのような状況にあるのか。5日に行われた両会(全国人民代表大会・全国政協会議)の記者会見で、国家発展改革委員会の徐紹史・主任はこれに対し、「今年の中国経済は好調な滑り出しを見せており、見通しは明るい」とはっきりと応えた。記者はこの問題について、両会の内外で代表や委員、専門家に意見を聞いた。人民日報が伝えた。

【疑問】中国の将来の発展にはどのような潜在力があるか

【回答】中国経済にはまだ多くのチャンスがあり、質と効果とがどちらも高まる成長を実現しなければならない

衰退論者が、中国経済が崩壊するとしている理由の一つは、中国経済の成長を長期にわたって引っ張ってきたのは投資だが、投資に頼った成長は持続可能なものではないというものだ。

全国政協委員を務める著名な経済学者の林毅夫氏は、この意見には全面的には賛同できないという。林氏によると、消費の積極的な役割は無視できないとしても、国家が、消費だけに過度に依頼して経済成長を引っ張っていくことは不可能である。「債務危機が発生した国はいずれも、過度の消費によって問題が起こった。このことはきちんと教訓とすべきだ」

林氏によると、中国はやはり、投資を主体とした経済成長モデルを取っていくべきだという。一方では、技術革新を拠り所として、労働生産性を高め、収入を増加させる必要がある。もう一方では、産業のグレードアップを拠り所として、インフラの整備を絶えず進め、取引コストを引き下げ、質と効果とがどちらも高まる成長を実現させる必要がある。

林氏によると、中国には非常に良好な発展条件がある。第一に、世界的に見て、政府の債務比率が比較的低い。審計署の昨年末の発表によると、中央と地方の債務は合計20兆7000億元で、地方政府が投資・融資プラットフォームに提供している担保の9兆6000元もあるが、全体の負債はGDPの39.4%にとどまっている。多くの先進国でこの比率は100%ほどに達し、日本にいたっては200%に及んでいる。債務比率の低さは、積極的な財政政策を取る余地を政府に与えている。さらに民間の貯蓄も非常に大きい。第二に、中国には4兆ドル近い外貨準備がある。こうした有利な条件を活用すれば、将来の数年にわたって7.5%から8%の経済成長率を維持するのに大きな困難はない。

「中国経済は、衰退論を語られる状況にあるどころか、都市化や環境保護、消費方式の転換など多くの発展のチャンスが存在している」と、全人代代表を務める東華大学経済発展・協力研究所の厳誠忠所長は語る。

発展改革委員会の徐紹史主任は、現在の問題を解決するためには、改革を全面的に深化させ、経済の内的な動力と市場を主体とした活力をさらに強化しなければならないと指摘する。工業化・情報化・都市化・農業近代化を同時に推進して巨大な潜在的ニーズを解き放ち、革新を動因として発展の底力を高め、マクロ調整によってさらに良好な環境を作り出す必要がある。

 

 「人民網日本語版」2014年3月7日

 

 

 
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