張艶代表:「母なる大河」長江の浄化を

 

沈暁寧=聞き手 馮進=写真・ビデオ

環境保護問題は両会で関心を集めた議題だったが、大方の注目はスモッグ問題に集まっていた。その中で全人代代表、江蘇省人代常務委員会副主任の張艶氏(61)は4億人の健康に関わる決議案―長江の水質汚染防止対策―を提出した。本誌記者の取材に応じた彼女は次のようにその思いを語った。

取材を受けた時に長江の水資源管理問題について意見を述べる江蘇省人民代表大会の張艶副主任

「長江は中国人の心の中で『母なる大河』であり、中華文明を生んだだけでなく、昔から今に至るまで、数えきれない中国人を育んできました。残念なのは、経済的な利益と発展のスピードを追求する過程で、それに見合わない汚染が起き、われわれを目覚めさせないわけはありませんでした。そこで、今回の全人代に決議案を提出したのです。

決議案では、長江沿岸の11省、220市に、長江の源流から河口の至る長江の全流域の水質保護のために協力を呼び掛けています。長江の水質問題は沿岸4億人の民衆の健康に直接関わります。国は経済発展の過程で、『青い水、青い空』を目標に掲げています。スモッグ問題はすでに大気汚染防止重視の機運が高まり、中央政府、各級政府がさまざまな防止措置を講じ、「青い空」を次第に取り戻そうとしています。それでは、水質汚染問題も同じように重視すべきであり、特に長江の環境保護と管理は、『青い水をたたえた大河が中国を貫流する』状態にするために最も重要だと思います。

江蘇省は長江下流に位置し、全省13市のうち8市が長江両岸にあり、この8市の市長が連名で、国務院(政府)に対して、長江全流域の水質汚染防止策を講じるよう要請しています。現在、江蘇省は『長江水質汚染防止条例』を制定し、江蘇省人代常務委員会はこの条例に基づき、省内の企業に対して検査を行い、検査中でも直ちに汚染防止、処理を指示しています。しかし江蘇省1省だけではとても力が足りません。長江沿岸地区の発展計画を作る際に、工業の配置を適切に行い、長江を汚染源から離すべきだと、考えています。しかも、日常生活で、水運で、長江の水質を清潔に保護するという意識は決しておろそかにはできないと思います。

うれしいことに、私が提出した決議案は全人代第3号議案になり、ここからも長江の水質汚染防止が重視されてきたことが分かります。上海市やその他の関連省・市も積極的に呼応し、幅広いコンセンサスができました。私は国務院が発した行政命令を基礎に、全人代常務委員会が立法すべく、長江の連携的な水質保護に法的な支持を与え、みんながこれを共同で守るようにすべきだと思います」

本誌記者からの取材に応じる江蘇省代表団のメンバーで江蘇省人民代表大会の張艶副主任

 

人民中国インターネット版 2014年3月10日

 

 

 

 
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